実はかんたん!「MACアドレスの調べ方」完全ガイド|3ステップで誰でもすぐ確認できる方法

ネットワーク設定や不具合の切り分けでは、MACアドレスの確認が欠かせません。しかし「どこを見ればいいの?」と毎回迷ってしまう人も多いはず。ここでは、MACアドレスの基本から、Windows・macOS・スマートフォンでの具体的な確認手順、さらにプライバシー・セキュリティの考え方まで、やさしい日本語で丁寧にまとめました。今日から迷わず確認できるようになります。
MACアドレスとは?あなたのデバイスに与えられた唯一の識別番号
MACアドレス(Media Access Control Address)は、PC・スマホ・ルーター・プリンターなど通信機器ごとに割り当てられる固有の番号です。48ビット(6バイト)で構成され、16進数をコロンやハイフンで区切って表示します(例:00:1A:2B:3C:4D:5E
)。
- 役割:同じネットワーク内で機器同士を見分けるための「物理アドレス」。イーサネットやWi-Fiの通信で必須。
- 構造の豆知識:先頭側(OUI)はメーカー識別、後半は機器(またはインターフェイス)固有。PCに有線・無線・仮想アダプターがあれば、それぞれ別のMACを持ちます。
- 関連する概念:IPアドレスは「論理的な住所」(レイヤ3)、MACは「物理的な識別子」(レイヤ2)。両者はARPなどで結び付きます。
- プライバシー:近年は「ランダム化MAC(プライベートアドレス)」が標準化。Wi-Fiごとに異なるMACを使い、追跡リスクを下げます。
MACアドレスを確認する3つの方法
確認自体はとても簡単です。まずは「どのインターフェイスのMACが必要か(Wi-Fi/有線)」を決め、VPNや仮想アダプターの表示で混乱しないようにしましょう。
WindowsでMACアドレスを確認する方法
- コマンドで一発:スタートから「cmd」と入力してコマンドプロンプトを開き、
ipconfig /all
と入力。対象アダプター(例:Wireless LAN adapter Wi-Fi / Ethernet adapter)の Physical Address がMACです。 - PowerShell派:
Get-NetAdapter | Format-Table Name, Status, MacAddress
で主要情報が整然と出ます。 - GUIで確認:[設定]→[ネットワークとインターネット]→利用中の接続(Wi-Fi/イーサネット)→[ハードウェアのプロパティ]。
- 注意点:VPN・仮想スイッチ・Bluetoothなど多数のアダプターが並ぶことがあります。利用中の回線を見分けて確認してください。
macOSでMACアドレスを確認する方法
- ターミナル:「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」を開き、
ifconfig
またはifconfig | grep -i ether
。ether の右側がMAC(例:en0
がWi-Fiのことが多い)。 - ハードウェアポート対応づけ:
networksetup -listallhardwareports
で「Wi-Fi → en?」の対応が一覧で確認できます。 - 設定から:[システム設定]→[ネットワーク]→対象インターネット接続→[詳細]内の情報(「Wi-Fiアドレス」と表示される場合あり)。
スマートフォンでMACアドレスを確認する方法
- iPhone:[設定]→[Wi-Fi]→接続中ネットワークのⓘ→「Wi-Fiアドレス」。[設定]→[一般]→[情報]にも表示。プライベートWi-Fiアドレスのオン/オフで表示値が変わる点に注意。
- Android:[設定]→[デバイス情報](または[端末情報])→[ステータス]→「Wi-Fi MACアドレス」。機種によっては、Wi-Fiのネットワーク詳細画面に「ランダム化MAC/デバイスMAC」の切り替えが表示されます。
- 補足:同じ端末でも「Wi-Fi」と「Bluetooth」「モバイル(Wi-Fi Direct等)」でMACは別々です。用途に合ったものを確認しましょう。
MACアドレス変更(スプーフィング)について知っておくべきこと
ドライバーやOSの機能で一時的にMACを変更できる場合があります(「ローカル管理アドレス」設定、ランダム化機能など)。ただし以下に留意してください。
- 目的の正当性:検証・互換テスト・プライバシー目的など正当な用途に限定。フィルタ回避などの不正利用は各種規約や法令に抵触するおそれがあります。
- 影響把握:DHCP予約・アクセス制御(MACフィルタ)・ライセンス認証に影響。安易な変更は接続不能や業務停止の原因に。
- 復旧手順:再起動や設定戻しで元に戻るケースが多いですが、変更方法により復旧手順が異なります。変更前に必ずメモを。
- ランダム化機能:iOS/Androidの「ネットワークごとのランダムMAC」、Windowsの「ランダム ハードウェア アドレス」など、OS側の機能活用が安全です。
MACアドレス確認方法に関する疑問解決
MACアドレスとIPアドレスは何が違うのか?
MACは同一ネットワーク内で機器を識別する物理アドレス、IPはネットワークをまたいで通信するための論理アドレスです。ルーターを越えるとMACは張り替えられますが、IPはルーティングされて届きます。両者はARP(近傍解決)などで対応づけられています。
MACアドレスが変更できる理由は?
仕様上、ベンダー割当の「グローバル(ユニバーサル)」に加えて、ソフトウェアから設定できる「ローカル管理」アドレスも認められているためです。OSやドライバーが一時的に上書きでき、ランダム化によるプライバシー保護が実現します。
同じPCに複数のMACがあるのはなぜ?
インターフェイス(Wi-Fi/有線LAN/仮想アダプター)ごとに別のMACを持つためです。目的に応じて「今使っている」アダプターのMACを確認してください。
ルーターにはどのMACを登録すればよい?
MACフィルタやDHCP予約では、そのルーターに接続するインターフェイス(例:Wi-FiならWi-FiのMAC)を登録します。ルーター本体のラベルには「WAN/LAN/Wi-Fi」など複数のMACが記載されることがありますが、用途に合ったものを選びます。
今すぐ問題を切り分けたいときのチェックリスト
- 確認したいのは「Wi-Fi」か「有線」かを決める(混同しない)。
- VPN/仮想アダプターを一時無効にして対象を絞る。
- Windowsは
Get-NetAdapter
で一覧、macOSはnetworksetup -listallhardwareports
で対応を確認。 - スマホはネットワーク詳細画面で「ランダム化MAC/デバイスMAC」を確認。
- DHCP予約やMACフィルタを使う前に、入力形式(コロン/ハイフン/大文字小文字)の仕様を確認。
まとめ
MACアドレスは、ネットワークの基礎かつ実務で頻出する情報です。Windows・macOS・スマートフォンのいずれでも、数ステップで簡単に確認できます。あわせて、ランダム化やローカル管理アドレスの考え方を知っておくと、プライバシー保護やトラブルの切り分けがよりスムーズになります。この記事の手順とチェックリストを手元に置き、次に困ったときは迷わず確認してみてください。