クイックアクセスツールバーの表示切替と場所の変え方手順
クイックアクセスツールバーとは何か?
クイックアクセスツールバー(QAT)は、Excelを使ううえで「探す手間」を減らすための近道です。リボンのどのタブを開いていても同じ位置にボタンが並ぶため、操作が安定し、迷いにくくなります。この章では、QATの役割や、リボン・ショートカットとの違いを整理して、どんな場面で役立つのかをイメージできるようにします。
特にExcel初心者は「どこに機能があるか分からない」「同じことをしたいのにタブが違って迷う」といった状態になりがちです。QATは、その迷いを減らし、よく使う操作を“いつもの場所”に固定するための仕組みだと捉えると分かりやすいです。
ここでは、クイックアクセスツールバーがどのような機能なのか、リボンやショートカットとの違いも含めて整理します。
クイックアクセスツールバーの役割
クイックアクセスツールバー(Quick Access Toolbar / QAT)は、Excel画面の上部に表示される小さなツールバーです。初期状態では「保存」「元に戻す」「やり直し」などが入っていることが多く、ここに自分の作業に合うコマンドを追加していきます。
- どのタブを開いていても常に表示される
- よく使うコマンドを固定できる
- ワンクリックで操作できる
例えば「印刷プレビュー」「ウィンドウ枠の固定」「フィルター」など、作業の途中で何度も触る操作ほどQATに置くと効果が出ます。タブの切り替えやメニュー探索が不要になるため、作業が止まりにくくなります。
また、QATはボタンが少ない分、配置の考え方がシンプルです。「使う頻度が高い順に並べる」「左側に寄せる」だけで、操作の安定感が上がります。
リボンやショートカットとの違い
- リボン:機能がタブ別に整理されている。迷ったときに探せるが、慣れるまでは「どのタブのどこ?」になりやすい。
- ショートカット:最速だが、覚えるまでが大変。環境やキーボード配列によって感覚が変わることもある。
- クイックアクセスツールバー:覚えやすく、探す手間も少ない。押す場所が固定されるので、初心者でも使い始めやすい。
初心者にとっては「よく使う操作を迷わず押せる」状態を作りやすいのがQATの強みです。ショートカットを覚える前段階として、まずQATで“最小限の道具箱”を作るとスムーズです。たとえばセル内改行のように頻出の操作は、ショートカットも併せて知っておくとさらに効率が上がります(例:「セル内改行」の基本:Alt+Enter)。あわせて、Excel全体の構造を理解するために、Excelのリボン構成と基本操作の解説記事を一度確認しておくと、QATとの役割分担が分かりやすくなります。
どんな人におすすめか(初心者・作業効率)
- Excel操作にまだ慣れていない
- 同じ操作を何度も繰り返す(印刷、保存、形式の調整など)
- メニューを探す時間を減らしたい
- いつも同じ作業(定型業務)をExcelで行う
こうした人は、最初にQATを整えるだけで作業が楽になります。「とりあえず使う」でもOKですが、1週間ほど使ってみて“よく触った操作”を追加していくと、ムダなく育てられます。
なぜ最初に設定すべきなのか?
QATは後からでも設定できますが、最初に整えるほど効果が出ます。ここでは、初心者が迷いやすいポイントと、QATを固定しておくことで得られる「時短」「ミス削減」のメリットを具体例で確認します。
クイックアクセスツールバーは、使い始めの段階で設定しておくことで効果が大きくなります。その理由を具体的に見ていきます。
毎回同じ操作を繰り返す人ほど効果が高い
Excelでは「よく使う操作」が人によって偏りが出ます。例えば、同じ部署や同じ役割だと、日々の作業が似てくるため、触る機能も似てきます。
例えば、
- 印刷プレビューを頻繁に開く
- セルの書式設定をよく触る
- 並べ替えやフィルターをよく使う
こうした操作をQATに置くと、「探す」「開く」「戻る」といった手間が消えます。さらに、作業が中断されにくくなるので、集中も切れにくくなります。特に印刷や表示切り替えが多い場合は、Excelの印刷設定・プレビュー操作まとめと組み合わせて考えると、作業全体の流れを整理しやすくなります。
Excel初心者がつまずきやすいポイント
初心者が困りやすいのは、
- 機能の場所が分からない(タブが多い)
- 同じ操作なのに手順が毎回変わる(リボンを行き来する)
- 似たアイコンや似た名前が多く、選択ミスが起きる
QATを使うと、いつでも同じ位置に同じボタンがある状態になります。これにより「探す→迷う→押し間違える」という流れを断ち切りやすくなります。
また、作業に必要なボタンがQATに集約されると、Excelの画面構造(タブやグループ)に慣れるまでの“つなぎ”としても有効です。
作業スピード・操作ミス削減の観点
- ボタンを探す時間が減る → 作業スピードが上がる
- 迷いが減る → 誤操作が減る
- 同じ場所を押す習慣がつく → 作業が安定する
特に業務でExcelを使う場合、ちょっとした効率化が積み重なって大きな差になります。1回の作業で数秒の短縮でも、1日・1週間・1か月で見ると効果が見えやすくなります。
クイックアクセスツールバーの表示・非表示を切り替える方法
まずは「見える状態」にするのが第一歩です。この章では、QATが見当たらないときの確認ポイントと、表示/非表示の切り替え手順を、迷わない順番でまとめます。
ここでは、クイックアクセスツールバーが見当たらない場合の確認方法と、表示状態を切り替える基本操作を説明します。
表示されていない場合の確認方法
通常はExcel画面上部(タイトルバー付近)に、小さなアイコンが並んで表示されます。リボンの上にある場合も、リボンの下にある場合もあるため、まずは画面上部をざっと確認します。
もし見当たらない場合は、次の手順で表示設定を確認します。
表示/非表示の切替手順
- リボンの近くにある「クイックアクセスツールバー」の右端(▼のようなボタン)をクリック
- 表示されるメニューから「クイックアクセスツールバーを表示」を選択
※Excelの表示状態によって文言が少し違う場合があります。
なお、すでに表示されている場合は、同じ場所で「非表示」に切り替えられます。まずは表示して、邪魔に感じるかどうかを試すのがおすすめです。
設定しても表示されない時の注意点
- 画面サイズが小さい/表示倍率が極端 → 省略表示になることがあります
- タイトルバーの表示設定やウィンドウ状態によって見え方が変わることがあります
- 画面上部が詰まっていると、QATが見えにくい位置に折りたたまれる場合があります
まずはExcelウィンドウを最大化し、もう一度確認してください。表示が見つかったら、次の章で「押しやすい位置」へ移動しておくと使いやすくなります。なお、画面表示そのものを見直したい場合は、Excelの表示設定(倍率・ウィンドウ操作)解説も参考になります。
クイックアクセスツールバーの表示位置を変更する方法
QATは、リボンの上にも下にも配置できます。見やすさ・押しやすさが変わるので、使い方に合う位置を選ぶのがコツです。ここでは両方の切り替え手順と、初心者向けのおすすめを紹介します。
クイックアクセスツールバーは、リボンの上または下に表示できます。自分に合った位置へ変更する方法を確認します。
リボンの上に表示する場合
- クイックアクセスツールバー右端のボタン(▼)をクリック
- 「リボンの上に表示」を選択
タイトルバー付近に表示され、常に上側で目に入りやすくなります。作業領域(シート部分)を広く取りたい人にも向きます。
リボンの下に表示する場合
- クイックアクセスツールバー右端のボタン(▼)をクリック
- 「リボンの下に表示」を選択
アイコンが大きく見えたり、押しやすく感じる人もいます。リボンのすぐ近くにあるため、マウス移動が短くなると感じるケースもあります。
初心者におすすめの表示位置
迷ったら、まずはリボンの上がおすすめです。
- タブを切り替えても位置が変わらず見つけやすい
- 画面の作業領域を圧迫しにくい
- 目線が上で固定され、ボタンを探す時間が減りやすい
ただし、押しやすさ重視なら「リボンの下」も十分アリなので、使いながら合う方に寄せるのが良いです。どちらが正解というより、自分が迷わない配置が最適解です。
よく使う機能を追加・削除する基本カスタマイズ
QATの本領は「自分がよく使う操作だけを置ける」ことです。この章では、まず簡単に追加できる方法から入り、不要な項目の削除や並び順の調整まで、基本のカスタマイズを一通りできるようにします。
クイックアクセスツールバーは、コマンドを自由に追加・削除・並び替えできます。ここでは基本的なカスタマイズ方法をまとめます。
コマンドを追加する手順
追加方法はいくつかありますが、初心者は次の手順が分かりやすいです。
- クイックアクセスツールバー右端のボタン(▼)をクリック
- よく使う項目が並んでいる場合は、追加したいものにチェックを入れる
- 一覧にない場合は「その他のコマンド」をクリック
- 追加したいコマンドを選び、「追加」を押して反映
まずは、メニューに最初から出てくる項目(チェック式)から追加してみると迷いにくいです。慣れてきたら「その他のコマンド」で、より細かい機能を追加できます。
不要なコマンドを削除する手順
- クイックアクセスツールバー右端のボタン(▼)をクリックし、チェックを外す
または
- 対象のアイコンを右クリックし、「クイックアクセスツールバーから削除」を選択
「使わないのに残っているボタン」は、迷いの原因になります。あまり使っていないと感じたら、いったん外してスッキリさせる方が扱いやすいです。
並び順を変更する方法
- クイックアクセスツールバー右端のボタン(▼)をクリック
- 「その他のコマンド」をクリック
- 右側の一覧(現在のQAT)で、対象を選ぶ
- 「上へ」「下へ」で順番を調整し、OKで反映
「よく押すものを左側」に寄せておくと、操作がさらに安定します。例えば「保存」「元に戻す」など“反射的に押す”操作は左側、たまに使う操作は右側に置くなど、軽いルールを作ると迷いが減ります。あわせて、キーボード操作にも少しずつ慣れていきたい場合は、Excel初心者向けショートカット厳選まとめを横目で確認しながら調整すると効果的です。
クイックアクセスツールバー設定のバックアップと復元
QATを整えた後に意外と困るのが、PC入れ替えや再インストールで設定が消えるケースです。ここでは、作り込んだQATを安全に持ち運ぶためのエクスポート(バックアップ)とインポート(復元)の手順をまとめます。
作り込んだ設定を無駄にしないために、バックアップと復元の方法も押さえておきましょう。職場PCなどで環境が変わりやすい場合は、早めにバックアップしておくと安心です。
バックアップは「一度やれば終わり」ではなく、QATの構成を大きく変えたタイミングで取り直すのがおすすめです。例えば、新しい業務に合わせてコマンドを入れ替えた、部署が変わって使う機能が変わった、といったタイミングで更新しておくと、復元時に「思っていた構成と違う」を防げます。
設定をバックアップする理由
QATは一度整えると便利ですが、
- PCの入れ替え
- Excelの再インストール
- 会社PCの初期化
などで設定が消えることがあります。
普段よく使う構成ができたら、バックアップしておくと安心です。「自分用に最適化した並び」を作った後ほど、復元できないダメージが大きくなります。
また、職場のPCでは「プロファイルの初期化」や「Windowsアップデート後の環境再作成」で、意図せず設定が戻るケースもあります。自分で復元できる状態にしておくと、トラブル時の立て直しが早くなります。
バックアップ手順
- 「ファイル」→「オプション」を開く
- 「クイックアクセスツールバー」を選ぶ
- 「インポート/エクスポート」から「すべてのカスタマイズをエクスポート」を選択
- 保存先を指定してファイルを保存
エクスポートしたファイルは、分かりやすい名前(例:Excel_QAT_バックアップ)にしておくと後で迷いません。さらに、複数回バックアップする場合は「日付」を入れる(例:Excel_QAT_バックアップ_2026-01-26)と、どれが最新かが一目で分かります。
保存場所も重要です。PC内の分かりやすいフォルダ(ドキュメント等)に加えて、クラウドや共有ドライブなど「PCを変えても参照できる場所」に置いておくと、復元がスムーズになります。
別PC・再インストール時の復元方法
- 「ファイル」→「オプション」→「クイックアクセスツールバー」
- 「インポート/エクスポート」から「カスタマイズファイルをインポート」を選択
- 先ほど保存したファイルを指定して反映
復元後は、QATが意図した位置(リボンの上/下)に出ているか、よく使うコマンドが正しく並んでいるかを軽く確認しておくと安心です。環境によっては、画面表示の設定やリボンの表示状態が違い、見え方が変わる場合があります。
バックアップファイルは、クラウドやUSBなどに保管しておくと取り回しが良いです。職場のルールがある場合は、許可された保存先に合わせて運用してください。特に社外へ持ち出せない環境では、会社の指定する保管場所(共有フォルダや社内クラウド)を使うのが安全です。
初心者が最初に入れておきたいおすすめ設定例
何を追加すればいいか迷う場合は、まずは「毎日使う」「ミスすると痛い」操作から入るのがコツです。この章では、初心者が効果を実感しやすい定番コマンド例を、目的別に整理して紹介します。
何を追加すればよいか迷う方向けに、初心者が使いやすい定番コマンド例を紹介します。ここで挙げる例は「最初のたたき台」なので、作業内容に合わせて取捨選択してください。
さらに、QATは入れすぎると逆に探す時間が増えます。最初は「毎日使うものを少数だけ」から始め、使いながら増やす方が結果的に速いです。目安としては、まず5〜8個程度に収め、慣れてきたら用途別に整理していくイメージが扱いやすいです。
作業頻度が高い基本操作
- 保存
- 名前を付けて保存
- 印刷(印刷プレビュー)
「保存」はショートカットでもできますが、初心者のうちは“視覚的に押せる”状態が安心につながります。特に、作業途中で別のファイルを開いたり、共有ドライブに保存したりする環境では、「今どこに保存されているか」を意識する機会が増えます。「名前を付けて保存」を入れておくと、保存先やファイル名を確認しやすく、誤って上書きするミスも減らせます。
印刷が多い人は「印刷プレビュー」を入れるだけでも手順が短くなります。印刷前に「余白」「縮小」「改ページ」を確認する流れが定着すると、出力のやり直しも減ってストレスが下がります。
ミス防止に役立つコマンド
- 元に戻す/やり直し
- 書式のコピー/貼り付け
- 罫線(よく使う罫線を固定)
「元に戻す/やり直し」は作業ミスの保険として強力です。初心者ほど「どの操作がどこに影響したか」が分かりづらい場面があるので、QATの左側に置いて“すぐ戻せる”状態にしておくと安心です。
書式の操作は意外と頻度が高いので、よく使うならQATに置く価値があります。例えば、見出しの色・フォント・桁区切り・日付形式など、同じ書式を繰り返し適用する作業が多い場合は「書式のコピー」が効きます。
罫線も同様で、表を整えるときに毎回探すと地味に時間がかかります。普段使う罫線(外枠、格子、下線など)が決まっているなら、QATに置いて「いつも同じ見た目」に揃えやすくすると、資料の品質も安定します。
業務効率が上がる定番例
- 並べ替え
- フィルター
- ウィンドウ枠の固定
表を扱う作業では「並べ替え」「フィルター」はほぼ毎回登場します。フィルターの基本操作にまだ不安がある場合は、オートフィルターの基本と条件の使い分けも一緒に確認しておくと、日々の作業が早くなります。
並べ替えは、担当者名・日付・金額などで並べ替えるだけでも「見たい情報を先に見る」ことができ、チェック作業が楽になります。フィルターは、必要な行だけに絞って確認できるので、件数が多い表ほど効果が大きいです。データ抽出や条件が複雑になってきたら、フィルターオプション(詳細設定)の考え方も後から役立ちます。
また、見出し行を固定する「ウィンドウ枠の固定」は、資料作成やチェック作業で地味に効きます。特に縦に長い表だと、見出しが消えるだけで誤読や入力ミスにつながりやすいので、最初から固定できるようにしておくと安心です。
これらの操作に不慣れな場合は、Excelで表を扱う基本操作まとめを先に読んでからQATに追加すると、理解しながら設定できます。
追加する順番の決め方(迷わないためのコツ)
QATに入れるコマンドを選ぶときは、「押した回数」と「押し間違えると困るか」で判断すると失敗しにくいです。
- 押した回数が多い:探す時間の節約効果が大きい
- ミスのリカバリーに使う:安心感が増える(元に戻す など)
- タブ移動が発生しやすい:リボンを探す手間が消える(印刷、フィルター など)
「自分がよく触った操作」を1週間くらい意識して、よく使う順に追加していくのが失敗しにくいです。迷ったら、まずは3〜5個だけ追加して、使いながら増やすのが安全です。増やすときも、いきなり10個追加せず、2〜3個ずつ試して「本当に押しているか」を確認すると、QATが散らかりにくくなります。
まとめ:クイックアクセスツールバーはExcel初期設定の基本
最後に、QATで押さえるべきポイントを振り返りながら、本記事全体の内容を整理します。設定の要点が自然と頭に残るよう、ポイントをまとめつつ、次に整えるとさらに作業効率が上がるExcel設定への導線もあわせて用意します。ここで一度全体像を確認しておくことで、今後の設定や見直しがスムーズになります。
最後に、本記事で解説してきた内容を整理し、「まず何を押さえておけばよいのか」「次にどこを改善するとよいのか」が分かるようにまとめます。QATの役割を理解したうえで、次のステップに進める状態を作ることが目的です。
本記事の要点整理
- クイックアクセスツールバーは、よく使うコマンドを常に同じ場所に固定できる
- 表示/非表示は、右端のボタン(▼)から簡単に切り替えできる
- 表示位置は「リボンの上/下」を選択でき、使いやすさで決めて問題ない
- コマンドの追加・削除・並び替えによって、自分の作業内容に合わせた構成にできる
- 設定が整ったら、バックアップしておくことで環境変更時も安心して使い続けられる
QATは「一度作って終わり」の設定ではありません。作業内容や役割が変われば、使うコマンドも自然と変わってきます。定期的に「最近よく使う操作」「逆に使わなくなった操作」を見直し、不要なものは外し、必要なものを追加していくことで、より自分に合ったツールバーに育てていくことができます。
次に設定すべきExcel項目への導線(内部リンク前提)
QATを整えたら、次はExcel全体の使い勝手を底上げする設定にも目を向けてみましょう。初心者のうちに一度整えておくと、その後の作業がぐっと楽になります。
- リボンの表示やカスタマイズ(よく使うタブを把握する)
- よく使うショートカットの基本(QATと併用すると効果的。例:「セル内改行」のショートカット など)
- 作業効率が上がる表示設定(枠の固定、表示倍率の調整など。データ抽出が多いなら、フィルターオプション(詳細設定)の考え方も役立ちます)