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折れ線をなめらかにつなぐ設定集|欠測値の扱いと表示ルール

k.w
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Contents
  1. 折れ線が途切れる理由を整理(空白/NA/0/非表示/軸の違い)
  2. [データソースの選択]ダイアログを開く(最短手順)
  3. [非表示および空白のセル]で「データ要素を線で結ぶ」を選ぶ(核心設定)
  4. 「非表示の行と列のデータを表示する」の意味と注意
  5. 軸の設定で見え方が変わる:日付軸と項目軸、間隔の指定
  6. 背景帯の活用で読みやすくする(3バリエーション)
  7. 縦棒/折れ線グラフに平均値の線を追加(データは非表示に可)
  8. 系列名を直接ラベル表示して凡例より見やすく
  9. 縦の目盛線や降下線(ドロップライン)で読み取りを補助
  10. 折れ線の種類と積み上げ折れ線の基礎(使いどころ)
  11. 例題:体重推移表と折れ線グラフ(朝と夜の平均をとる考え方)
  12. グラフのデータ範囲を可変にして自動拡張する2つの方法
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折れ線が途切れる理由を整理(空白/NA/0/非表示/軸の違い)

最初に、折れ線が切れて見える主な理由をまとめます。ここでの用語は、後の章でも同じ意味で使います。

  • 空白セル:値が入っていない状態。セルはあるが中身が空。
  • 欠損値(NA):関数などでエラーや欠測を表す値。見た目が空白と似る。
  • 0(ゼロ):数値のゼロ。欠損ではなく実在する値。
  • 非表示:行や列を非表示にしたり、フィルターで一時的に隠している状態。
  • 軸の種類:日付軸(時間の連続を保つ)と項目軸(項目ごとに等間隔)の違い。

折れ線が途切れるかどうかは、「空白や欠損をどう描くか」「非表示を描くか」「軸の種類」で変わります。まずは現在のデータがどの状態に当てはまるかを確認しましょう。

【表】空白・NA・0・非表示と表示の関係(一般的な初期設定の傾向)

データ状態折れ線の挙動ありがちな混同対処の方向性
空白セル点が欠け、線が途切れやすい欠損と0の違いが不明確空白の扱いを明示する設定を使う
欠損値(NA)多くの場合、点なしで間が切れる空白と同じに見える欠損かゼロかを別列で管理
0(ゼロ)0の位置に点が打たれ、線は連続欠損として誤解0は値。欠測と区別する
非表示(行/列)初期は無視されて切れることがあるフィルターと削除の混同非表示も描画する設定を確認
軸の種類(日付/項目)日付軸は欠測期間も時間だけ進む項目軸との違いを失念軸を目的に合わせて選ぶ

FAQ:0は欠測と同じ扱いになりますか?

いいえ。0は実際の値であり、欠測ではありません。欠測は「値が不明」、0は「値が0」です。グラフでは0の位置に点が描かれ、線は連続します。

[データソースの選択]ダイアログを開く(最短手順)

ここでは、目的の設定に素早くたどり着く手順を示します。環境により名称が少し異なることがあります。

  1. グラフをクリックして選択します。
  2. グラフ上で右クリックし、データに関するメニューを開きます。
  3. [データソースの選択]を選び、データ範囲と系列の編集画面を開きます。

このダイアログから、空白や非表示の扱いに関わるボタンへ進めます。後で系列の追加や置き換えもここから行えます。

FAQ:グラフエリアと系列、どちらを右クリックすればよい?

グラフエリアで右クリックするとメニューに到達しやすいです。系列の上でも開けますが、意図しない系列編集に入ることがあります。

[非表示および空白のセル]で「データ要素を線で結ぶ」を選ぶ(核心設定)

折れ線を連続表示したいときの中心となる設定です。ここでは空白や欠損の見え方をコントロールします。

  1. [データソースの選択]ダイアログから、[非表示および空白のセル]をクリックします。
  2. 空白セルの表示方法で「データ要素を線で結ぶ」を選びます。
  3. 必要に応じて、非表示のデータも描画するオプションを確認します。

この設定を有効にすると、空白部分を補って線が連続して描かれます。ただし、実際の値を作るわけではありません。データ解析では、欠測は欠測として別に管理しましょう。

注意点として、空白とエラー(NA)は区別されます。関数でエラーが出ている場合は、空白に変換するか、別の列で扱ってから描画すると安定します。

FAQ:「間を補間」と「前の値を保持」はどう違う?

間を補間は前後の点を結んで線を引きます。前の値を保持は、次の点が出るまで直前の値を延ばす考え方です。目的に沿う方法を選びましょう。

「非表示の行と列のデータを表示する」の意味と注意

非表示やフィルターで隠れているデータを、グラフに含めるかどうかを決める設定です。

  • 有効にする:期間や項目を一時的に非表示にしても、トレンドが切れずに見られます。
  • 無効にする:画面に見えるデータだけでグラフを作りたい場合に向きます。

データを削除したわけではないのに線が切れるときは、この設定を見直してください。集計列や平均線を重ねる場合も、非表示データの扱いで結果が変わることがあります。

FAQ:フィルターで隠した期間も線でつながりますか?

設定で「非表示の行と列のデータを表示する」を有効にすれば、隠れていても線は連続します。無効なら隠れた部分は描かれません。

軸の設定で見え方が変わる:日付軸と項目軸、間隔の指定

軸の種類は見え方に大きく影響します。日付軸は時間の連続を保ち、項目軸はデータ点を等間隔に並べます。欠測が多い場合、日付軸だと空白期間の幅が広く見えることがあります。

【表】日付軸と項目軸の比較

項目日付軸項目軸
点間隔実際の日時の間隔に比例常に等間隔
欠測の見え方欠測期間も横方向に広がる欠測は点が欠けるだけ
連続性の印象時系列の流れが自然イベント比較が容易
おすすめの用途日次や時間などの連続データ品目別・カテゴリ別の比較

間隔の指定では、主目盛・補助目盛の間隔を合わせると読みやすくなります。長期データは月単位、短期は日単位など、粒度をそろえると途切れ感が減ります。

FAQ:日付軸なのに点の間隔が不規則に見えるのはなぜ?

実際のデータ間隔が不均一だからです。休日などでデータがない日を含むため、時間の流れに合わせて間隔が広がって見えます。

背景帯の活用で読みやすくする(3バリエーション)

折れ線そのものをいじらなくても、背景に帯を置くと区間の理解が早くなります。帯は追加の系列や図形で実現できます。

目盛り間隔ごとに背景を色分け

軸の目盛りに合わせて、交互に淡い色を敷きます。長い期間のデータでも、区切りがはっきりします。薄い色を使い、凡例は不要にします。

一定間隔ごとに縦に色分け

週や四半期など等間隔で縦帯を入れます。間隔が変わっても、系列のデータが増減しても、自動で帯が並ぶように、補助列に開始・終了を作っておくと管理が楽です。

特定期間だけ背景色を変えて強調

キャンペーン期間やイベント期間だけ強い色でマークします。帯が強すぎると折れ線が埋もれるので、透明度の高い色を選びます。凡例の名前は短くし、必要なら後から非表示にします。

FAQ:データ更新で帯の位置がズレないようにするには?

帯の位置をデータと同じ軸に結びつけるのが基本です。開始・終了時刻を数値で持つ補助列を用意し、グラフのデータ範囲をテーブル化するとズレにくくなります。

縦棒/折れ線グラフに平均値の線を追加(データは非表示に可)

目安線を重ねると水準がわかりやすくなります。平均値は別系列にして描き、凡例は必要に応じて非表示にします。

手順の一例:

  1. データ範囲の横に平均値の列を作ります(全期間同じ値)。
  2. グラフに系列として追加し、折れ線のスタイルを細めに設定します。
  3. 凡例やデータラベルは必要に応じて調整します。

移動平均を使うと、短期の波をならして傾向が見やすくなります。期間はデータの周期に合わせて選びます。

FAQ:移動平均と単純平均はどう使い分ける?

全期間の水準を見たいなら単純平均、短期の傾向やノイズ除去には移動平均が向きます。目的に合わせて選びましょう。

系列名を直接ラベル表示して凡例より見やすく

線の近くに名前を表示すると、凡例を見比べる手間が減ります。重なりやすい場合は、末端の点だけにラベルを付けると読みやすくなります。

設定のコツ:

  • 自動配置で重なったら、手動でわずかにずらす。
  • 文字サイズは小さめにし、色は線に合わせる。
  • ラベルの枠線や塗りは原則なしにして軽く見せる。

FAQ:自動でラベル位置が重ならないようにできますか?

自動配置機能がありますが、密なグラフでは手動調整が必要です。末端のみ表示や重要系列だけ表示など、ルールを決めて運用すると安定します。

縦の目盛線や降下線(ドロップライン)で読み取りを補助

縦の目盛線や降下線を使うと、特定の点の値や時点を読み取りやすくなります。多すぎると騒がしくなるので、主な区切りだけに絞ります。

  • 主要な目盛にだけ縦線を入れる。
  • 降下線は強調したい系列だけに付ける。
  • 線の色は薄いグレーなど目立ちすぎない色にする。

FAQ:補助線を入れすぎたときの調整ポイントは?

線の数を減らし、太さと色を弱めます。重要な区切りだけ残し、他は非表示にすると見やすさが戻ります。

折れ線の種類と積み上げ折れ線の基礎(使いどころ)

折れ線には通常のほか、滑らかに見せるタイプや積み上げ折れ線があります。積み上げは値を合計して重ねるため、個々の系列の形が変わることがあります。

  • 通常の折れ線:元の値の変化をそのまま表示。
  • 平滑化された折れ線:見た目がなめらか。極端な上下を強調しすぎない。
  • 積み上げ折れ線:系列を重ねて全体の合計を示す。

FAQ:積み上げにすると途中が直線的に見えるのはなぜ?

個々の系列が小さい場合、合計が支配的になり、細かな変化が隠れます。積み上げは全体の推移を見る用途に向きます。

例題:体重推移表と折れ線グラフ(朝と夜の平均をとる考え方)

身近な例として、朝と夜の値から平均をとって折れ線を描く流れを示します。ここでは一般的な操作の例にとどめます。

  1. 日付、朝、夜の3列を用意し、平均列を追加します。
  2. 測れなかった日は空白のままにし、補助列で平均を計算できる日だけ値を出します。
  3. 折れ線グラフを作成し、空白の扱いを「データ要素を線で結ぶ」にします。

この方法なら、実測のない日を無理に埋めずに、全体の傾向を追えます。個々の判断や健康に関する助言は行いません。記録方法の一例として参考にしてください。

FAQ:測れなかった日の扱いはどうすればよい?

無理に値を入れず、空白のまま扱いましょう。グラフ側で線を結ぶ設定を使えば、全体の流れは読み取れます。

グラフのデータ範囲を可変にして自動拡張する2つの方法

データが増えるたびにグラフ範囲を手で直すのは手間です。可変化しておくと更新が楽になります。よく使われる方法を2つ紹介します。

【表】可変範囲の方法の比較

方法概要長所注意点
テーブル化データ範囲をテーブルに変換追加が自動で反映、簡単参照名が変わるため関数の書き方に慣れが必要
名前付き範囲(OFFSET/INDEX)数式で範囲の終端を指定柔軟で複数表に応用可能数式の保守が必要、重い場合あり

運用に慣れていない場合は、まずテーブル化から始めると安定します。複雑な条件がある場合だけ名前付き範囲を検討します。

FAQ:どの方法が壊れにくく処理が軽い?

一般にはテーブル化が簡単で安定しやすいです。特殊な並び替えや複数条件がある場合のみ、名前付き範囲を選ぶとよいでしょう。

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