ワークシートの背景に透かしを入れる方法|ヘッダーに図や文字を入れて作る

Excel では、シート全体に画像を敷いて見た目を整えることができます。ただし、[ページレイアウト]タブの[背景]で設定した画像は印刷には反映されません。印刷まで透かしを表示したい場合は、ヘッダーに図(画像)や文字を入れて調整するのが実用的です。本ページでは、背景画像の基本と、印刷できる“透かし”をヘッダーで作る手順・コツをまとめます。
[ページレイアウト]タブの[背景]から画像を挿入
まずはシート背景として画像を敷く方法です。見た目の確認やプレゼン用の下絵として便利ですが、印刷は不可という性質を理解しておきましょう。
- [ページレイアウト]タブ → [ページ設定]グループ → [背景]をクリック
- 表示された[画像の挿入]で保存場所を選び、画像を指定
- 例:ローカルに保存したファイルなら[ファイルから]を選択して挿入
画像の例(幅 811 px/高さ 1192 px)のように大きめでも、自動でタイル状に敷かれます。なお、この背景は次の制約があります。
- 明るさやコントラスト、サイズなどの調整は不可(必要なら事前に画像編集で薄くする)
- 印刷には出ない(画面上でのみ表示)
- 不要になったら[背景の削除]で元に戻せる
Excel 2003 には[背景]コマンドはありませんが、図形の塗りつぶし等を工夫して“背景風”に見せることは可能です(入力のしやすさは低下します)。
Excel で透かしを追加する(Microsoft)
画像の保存方法(右クリックで保存する手順)
[ヘッダー]に画像を挿入する方法
印刷に透かしを反映させたいときはヘッダーを活用します。ヘッダーに画像を入れると、サイズ・薄さを後から調整でき、印刷でも透かしのように出力できます。
- 表示を[ページレイアウト]に切り替える([表示]タブ → [ブックの表示]→[ページレイアウト]、またはステータスバーのボタン)
- シート上部に表示される[ヘッダーの追加]をクリックすると、リボンに[ヘッダーとフッター]タブが現れる
- [標準]表示ではヘッダーの図は見えません。確認は[ページレイアウト]表示または印刷プレビューで行います。
補足:[挿入]タブ → [テキスト]→[ヘッダーとフッター]から入っても同様に設定できます。
[ヘッダーとフッター]タブの[図]から挿入
- [ヘッダーとフッター]タブ → [ヘッダー/フッター要素]→[図]をクリック
- [画像の挿入]で保存場所を選び、画像を指定(例:[ファイルから])
- セル領域をクリックすると、透かし位置のプレビューが表示されます(確認は[ページレイアウト]表示・印刷プレビューで)
注意:図形そのものはヘッダーに直接は挿入できません。図形を一度“図として保存”してから画像として挿入します(Microsoft 365/Excel 2021 以外のバージョンは PowerPoint 等で図書き出しを行ってください)。
挿入した画像の編集
- ヘッダー領域を再度クリック → [ヘッダーとフッター]タブ → [図の書式設定]
- [サイズ]タブ:高さ・幅を指定([縦横比を固定する]はオン推奨)
- [図]タブ:色合い・明るさ・コントラストを調整([ウォッシュアウト]で淡い透かし風に)
- [OK]で反映。印刷プレビューで濃さ・位置を確認し、必要に応じて再調整
挿入した画像の置換
- [ヘッダーとフッター]タブ → [ヘッダー/フッター要素]→[図]をクリック
- 表示メッセージで[置換]を選択 → 新しい画像を指定
- ヘッダーの各セクションに 1 つまで画像を設定できます
挿入した画像の削除
- ヘッダーを表示して、入力欄にある
&[図]
の文字列を削除 - セル領域をクリックして確定(プレビューで画像が消えているか確認)
画像をヘッダーに挿入して透かしのようにみせる
“DRAFT(下書き)”“CONFIDENTIAL(社外秘)”のような透かし画像を用意し、ヘッダーの中央セクションに挿入すると用紙中央付近に大きく配置できます。A4 ならおおよそ 700~800 px 四方の画像から調整するとバランスが取りやすいです。
- 画像は事前にグレー系・薄めに加工しておくと、数式や値の視認性を損ねにくい
- 複数ページにわたる帳票でも同じ濃さで印刷されるため、社内書式の統一に便利
- ロゴ透かしの手順や置換の流れはヘッダー画像と同じです
文字をヘッダーに入力して透かしのようにみせる
画像を使わず、テキストだけで透かし風に仕上げることもできます。社内区分や版数を大きく入れたいときに有効です。
- 表示を[ページレイアウト]に切り替え、[ヘッダーの追加]をクリック
- 中央セクションに切り替え、必要に応じて改行を入れて用紙中央付近まで位置を下げる(後から微調整可)
- 例:サンプル/CONFIDENTIAL などの文字を入力
- [ホーム]タブでフォントやサイズ、太字・斜体、色(薄いグレー等)を設定し、字間はスペースで広げる
- セル領域をクリックして確定 → 印刷プレビューで位置・濃さを確認し、必要なら再調整
ポイント:
- 本文に干渉しない淡さ・サイズにする(ウォッシュアウト相当の薄色)
- 長文は避け、短い語を大きく配置すると視認性が上がる
- 見出しや集計行の上に重なる場合は位置を数行分ずらす