ドラッグだけでOK!ピボットテーブルの行・列・値の置き方
ピボットテーブルとフィールドの基本
ピボットテーブルは、一覧データを簡単に集計して、見たい切り口で並べ替える道具です。分類を「行」、区分を「列」、合計や件数などの数字を「値」に置くと、クロス集計の形になります。元データは1行が1件で、見出し行が1行だけ、途中に空白行がない形が扱いやすいです。テーブル(Excelの機能)に変換しておくと、更新や範囲の拡張も楽になります。
フィールドリストは、右側に表示されるパネルです。上部に「使用可能なフィールド」、下部に「行」「列」「値」「フィルター」の4エリアがあります。ここにフィールド(元データの列名)をドラッグして配置すると、集計の形が変わります。ドラッグで置き換えたり、チェックボックスで一時的に追加することもできます。
フィールド名は、あとからわかりやすく変更できます。値エリアに置いた数値は、既定では合計になりますが、件数や平均などに変えることができます。複数のフィールドを同じエリアに置くと、階層(ネスト)や複数集計を表せます。
よくある質問:フィールドリストが見つからないときは?
リボンの分析(またはピボットテーブル分析)から、フィールドリストを表示します。ピボットテーブル外を選択しているとパネルは出ません。いったんピボットテーブル内のセルをクリックしてから確認します。ウィンドウの端に折りたたまれている場合もあるので、画面右端を探してください。
ドラッグで配置する手順(行・列・値・フィルター)
基本の流れは次のとおりです。まず、ピボットテーブルの中を選択し、右側のフィールドリストを開きます。次に、使いたいフィールドをつかんで、置きたいエリアへドラッグします。置いた瞬間に表が更新されます。不要になったフィールドは、エリアから外へドラッグして離すか、フィールド名の右側の一覧でチェックを外します。
行エリアに分類や項目名を置くと、縦に並びます。列エリアに区分を置くと、横方向に見出しが増えます。値エリアは数値を置く場所で、合計や平均、最大、最小、件数などの集計ができます。フィルターは表全体にかかる条件で、選んだ項目だけを表示できます。
ドラッグ中に置ける場所にマウスポインターを重ねると、薄い枠やガイドが表示されます。うまく置けないときは、四つのエリアの見出しの上に重ねてから離すとうまくいきます。順序を入れ替えたいときは、同じエリア内で上下(または左右)にドラッグします。
よくある質問:ドラッグ中に「置けない」マークが出るのは?
ピボットテーブル外にドロップしようとしている、またはウィンドウがスクロールしてエリアが見えていない場合があります。フィールドリストの四つのエリアが見える位置までスクロールしてから操作します。保護ビューやブック保護が有効だと操作が制限されることもあります。
各エリアの役割と並べ方のコツ
四つのエリアの働きを表で整理します。迷ったら、まずは行にカテゴリ、列に区分、値に数量という形を試してみます。フィルターは全体を切り替えたいときに使います。
| エリア | 役割 | 置くとよい例 | 並べ方のコツ |
|---|---|---|---|
| 行 | 縦方向の分類 | 商品名、部署、顧客 | 上位から下位へ階層順に置くと読みやすい |
| 列 | 横方向の分類 | 年、月、地域 | 列が多すぎると横に長くなるので注意 |
| 値 | 集計する数値 | 売上、数量、件数 | 集計方法は変更可能。桁区切りや表示形式も整える |
| フィルター | 全体の絞り込み | 年度、担当者 | 報告用に、ひとつの表で切り替えたいときに便利 |
よくある質問:値エリアに文字フィールドは置ける?
置けます。集計方法は既定で「個数(件数)」になります。数値の合計にしたい場合は、元データを数値にそろえてから値に置き直します。
表示レイアウトを整える(従来の表形式・空白行・見出し表示)
読みやすさを上げるには、レイアウトの選び方が大切です。従来の表形式にすると、行見出しが各行に表示され、縦に並んだ明細が把握しやすくなります。必要に応じて空白行を挿入したり、見出しを非表示にして紙面をすっきりさせることもできます。
従来の表形式は、デザインのレポートレイアウトから選びます。アウトライン形式やコンパクト形式と見比べて、用途に合うものを選びます。印刷や提出物では表形式が好まれることが多いです。空白行の追加は、アイテム間に間を作る手段ですが、多用すると縦に長くなるため注意します。
よくある質問:従来の表形式に切り替えるには?
ピボットテーブルを選択し、デザインタブのレポートレイアウトから、表形式で表示を選びます。必要なら、アイテムのラベルを繰り返し表示を有効にして、各行に分類名を表示します。
仕上げの設定(小計/総計・列幅固定・ボタン表示)
集計ができたら、見やすさと崩れにくさの調整を行います。小計や総計を非表示にして、表をすっきり見せることができます。列幅の自動調整をオフにすると、更新しても列幅が変わりません。ピボットグラフでは、フィールドボタンを非表示にして見た目をシンプルにできます。
列幅の固定は、オプションで「更新時に列幅を自動調整しない」を選びます。小計はフィールドの設定で「小計なし」を選ぶか、デザインタブから一括で切り替えます。グラフのフィールドボタンは、ピボットグラフ分析タブから表示/非表示を切り替えます。
よくある質問:更新のたびに列幅が変わるのを止めたい
ピボットテーブルオプションで、レイアウトと書式の中にある「更新時に列の自動調整を行う」のチェックを外します。これで更新しても幅は維持されます。
レポートフィルターで複数シートを一括作成
レポートフィルターに部署や店舗などの区分を置き、レポートフィルターのページごとに表示を使うと、選択した項目ごとのシートを自動で作成できます。提出先ごとに表を配るときに便利です。元データが更新されたら、シートを再作成するか、更新を実行して最新の状態に合わせます。
ページごとに表示の実行前に、不要な項目を除外しておくと不要なシートの作成を防げます。作成されたシートは元のピボットテーブルとリンクしているので、更新の影響を受けます。シート名は自動で項目名になりますが、あとで変更できます。
よくある質問:一括作成したシートをまとめて削除できる?
Excelにはまとめて削除する専用の機能はありません。作成後に不要なシートを選んで削除します。大量に作る場合は、先に対象を絞り込むか、作成後に複数選択で削除します。
既定のレイアウトを編集して作業を時短(Excel 2019以降)
よく使うレイアウトを既定にしておくと、新しく作るピボットテーブルに自動で適用されます。表形式、ラベルの繰り返し、小計オフ、列幅固定などをひとまとめにできます。レイアウトを整えたサンプル表から、既定のレイアウトにインポートすることも可能です。
この仕組みはExcel 2019以降にあります。共有のブックでは、他の人の環境に既定がない場合もあるため、提出物は作成者側で最終チェックを行います。既定に含まれない設定も一部あるので、作成直後に確認を習慣にすると安心です。
よくある質問:既定レイアウトに反映されない設定はある?
集計方法の種類や表示形式など、一部の書式は既定に含まれないことがあります。サンプルを用意し、複製して使う運用も検討します。
作成に困ったときの対処(元データ・日付グループ化・ドラッグ不可)
うまくドラッグできない、集計が思い通りにならないときは、元データの形を点検します。列見出しが1行で、同じ列に混在するデータ型がないかを確認します。空白行や空白列があると範囲が切れてしまうことがあります。まずはテーブル化しておくと安心です。
日付のグループ化ができないときは、日付が文字列になっている可能性があります。セルの表示形式だけでなく、実際の値が日付シリアルかを確認します。年・月・日を別列に分けておくと、柔軟にグループ化できます。ドラッグ自体ができない場合は、ブックやシートの保護、共有モード、外部接続の制限などを点検します。
よくある質問:日付がグループ化できないときは?
対象の列を別セルにコピーして、日付として再入力し直す、または関数で日付に変換します。週単位や月単位でまとめたい場合は、日付列を正しく認識させた上でグループ化を実行します。
参考:ウィザードの使いどころ(統合・表形式変換)
ピボットテーブルウィザードは、複数範囲の統合や、表形式の作成を手早く行う場面で役立ちます。最近のバージョンではリボンに出ていないことがありますが、ショートカットやクイックアクセスツールバーに追加して使えます。複数のクロス集計表をまとめるときは、元の並びや一致する項目名に注意します。
ウィザードで作った結果は、通常のピボットテーブルと同じようにドラッグで配置を変えられます。慣れるまでは、単一のテーブルを元データにする方法がわかりやすいです。必要に応じて、テーブルに変換してから集計しましょう。
よくある質問:ウィザードを表示するショートカットは?
環境によって異なります。クイックアクセスツールバーにコマンドを追加すると呼び出しやすくなります。頻繁に使う場合は自分の環境に合わせて設定しておきます。