スマホの通知が多すぎるときの整理術｜大事なお知らせだけを見逃さない設定方法

スマホの通知が多すぎるときの整理術｜大事なお知らせだけを見逃さない設定方法

スマホを使っていると、画面いっぱいに通知がならんでしまうことはないでしょうか。ゲームやショッピング、SNS、お店のアプリなど、知らないあいだに通知がどんどん増えてしまいます。

通知が多すぎると、スマホを見るたびに気が散ってしまうだけでなく、本当に大事なお知らせを見逃してしまうおそれもあります。さらに、画面をつける回数が増えたり、常に通信が発生したりして、電池やデータ通信量にも影響が出ることがあります。

この記事では、通知が多すぎると何が困るのかを整理しながら、どの通知を残して、どの通知を止めればよいかをやさしい言葉で説明します。AndroidでもiPhoneでも考え方は同じなので、どちらのスマホを使っている人でも読める内容です。

なお、スマホの画面やメニューの名前は、機種やOSのバージョンによって少しずつちがいます。この記事では、細かい画面の形よりも「どんな考え方で通知を整理するか」を重視して説明していきます。

スマホの通知が多すぎると起きる困りごと

スマホの通知は、うまく使えばとても便利な機能です。大事なメールやメッセージ、配送のお知らせなどをすぐに受け取ることができます。しかし、通知が多すぎる状態が長く続くと、いろいろな困りごとが起きてきます。

まず、いちばん分かりやすいのは「大事な通知を見落としやすくなる」ことです。画面にたくさんの通知がならんでいると、本当に確認したいものが、ほかの通知にまぎれてしまいます。銀行や支払いの確認、家族からの連絡など、あとから見返したい通知がどこにあるのか分からなくなってしまうこともあります。

通知が多いと、スマホを見るたびに小さなストレスがたまる、という問題もあります。ロック画面やステータスバーに、いつも数字のバッジや通知のマークがついていると、「全部確認しないといけない」と感じてしまい、ゆっくり休めなくなる人もいます。

また、通知が来るたびに画面がついたり音が鳴ったりするため、電池の減りが早くなることがあります。通知の数が多いと、そのぶん通信も発生しやすくなるので、データ通信量にも少しずつ影響します。とくに、動画や画像つきの通知が多いときは、その傾向が強くなります。

ほかにも、次のような困りごとが起きやすくなります。

• 会議中や移動中に、関係のない通知が何度も鳴って集中できない
• 深夜や早朝に、気づかなくてよい通知で起こされてしまう
• 通知を見るたびにアプリを開いてしまい、予定より長くスマホを触ってしまう

このように、通知が多すぎる状態は、便利さよりも不便さやストレスのほうが目立ってしまいがちです。だからこそ、「何でも通知を受け取る」のではなく、「本当に必要な通知だけを残す」という考え方が大切になります。

通知が多すぎると危険ですか？

通知が多いだけで、すぐに大きな危険が起こるとは限りません。ただし、大事な通知が埋もれてしまうと、結果としてトラブルにつながることがあります。たとえば、支払いに関するお知らせや、アカウントの安全にかかわる注意が、ほかの通知にまぎれて見逃されると、あとで困る可能性があります。

そのため、「通知の数そのもの」よりも、「大事な通知がきちんと目に入る状態になっているか」を意識することが大切です。

通知が増えすぎる主な原因をチェックしよう

通知が増えすぎるのには、いくつかの典型的なパターンがあります。自分のスマホがどのパターンに当てはまっているかを知ると、どこから見直せばよいかが分かりやすくなります。

よくある原因の一つは、「アプリを入れるときに通知を全部許可している」ことです。インストール直後や初回起動のときに、「通知を送ってもよいですか？」と聞かれる場面があります。よく考えずにすべて許可していると、あとから不要な通知が増えていきます。

ゲームアプリやポイントアプリ、ショッピングアプリなども、通知が増えやすいグループです。セールやキャンペーンのお知らせが多くなりがちです。限定セールやキャンペーン、ログインボーナスなどのお知らせが、毎日のように届くことがあります。必要な情報もありますが、「今すぐ知る必要はない」内容も多くまざっています。

メールやSNS、チャットアプリの通知も、設定次第ではかなりの数になります。すべての新着メールや、すべての投稿に対して通知が来るようになっていると、スマホが鳴りっぱなしになってしまうことがあります。

また、実際にはあまり使っていないアプリの通知が、そのままになっていることも多いです。入れたままほとんど開いていないアプリが、自動的にお知らせを送り続けているケースは少なくありません。

まずは、自分のスマホに来ている通知を、落ち着いてながめてみましょう。ロック画面や通知センターに出ている通知を見て、「本当に知らせてほしいもの」と「なくても困らないもの」をざっくり分けてみると、どこから整理すべきか見えやすくなります。

原因を知るときのポイントは、「自分が悪い」と考えすぎないことです。多くのアプリは、初期設定で通知が多めになっています。多くのアプリは、初期設定で通知が多めになっています。つまり、「そのまま使うと通知が増えやすいしくみ」になっているのです。大事なのは、その中から自分に合った形に調整していくことです。

アプリを消さなくても通知だけ止められますか？

多くの場合、アプリを削除しなくても、通知だけを止めたり、出し方を変えたりすることができます。スマホ本体の設定や、アプリごとの設定画面から、「通知を表示しない」「音だけ消す」「バッジだけにする」など、細かく調整できることが多いです。

アプリそのものは必要だけれど、通知はいらないという場合は、まず通知の出し方を見直してみるとよいでしょう。

大事な通知と止めてもよい通知を3つのグループに分ける

通知を整理するときに、最初から細かい設定に入ってしまうと、途中で疲れてしまうことがあります。その前に、「どんな通知を残したいか」「どんな通知なら止めてもよいか」という考え方を決めておくと、整理がぐっと楽になります。

おすすめは、通知を次の3つのグループに分ける方法です。

1. 必ず残したい通知
2. 状況によって残すか決める通知
3. 基本的にはオフでよい通知

ここで大切なのは、「自分や家族を守るために必要な通知はどれか」を意識することです。たとえば、お金や支払いに関するお知らせ、ログインに関する確認、家族や仕事の大事な連絡などは、多くの人にとって重要度が高い通知です。

反対に、セールやポイントアップのお知らせ、ゲームのログインボーナス、ニュースの速報などは、リアルタイムで知らなくても困らないことが多いでしょう。あとでアプリを開いたときに確認できればよい、という考え方もできます。

3つのグループの例を、表でまとめると次のようになります。

この表はあくまで一例です。自分の生活や仕事の内容によって、「必ず残したい通知」は変わってきます。仕事で特定のアプリを使っている人は、そのアプリからの通知を残したほうがよい場合もあります。

迷ったときは、「今すぐ知る必要があるか」「あとでアプリを開けば分かるか」を考えてみてください。今すぐ知る必要がないものは、通知をオフにしても問題になりにくいことが多いです。

どの通知をオフにしていいか迷ったときはどうすればいいですか？

判断に迷うときは、「とりあえず通知を少し弱めて様子を見る」という方法があります。たとえば、音やバイブだけ止めて、画面上の表示だけにするなどです。それで不便を感じなければ、思い切って完全に通知をオフにしてしまうのも一つの手です。

逆に、「やっぱり通知が必要だった」と感じたら、また設定を戻せばかまいません。通知の設定は一度決めたら終わり、というものではなく、生活の変化に合わせて少しずつ調整していくものだと考えるとよいでしょう。

通知を整理するときの基本ステップ

通知の考え方が整理できたら、いよいよ実際の設定を見直していきます。ここでは、AndroidとiPhoneのどちらにも共通する、通知整理の基本的な流れを紹介します。

1つ目のステップは、「今きている通知をながめること」です。ロック画面や通知センター、ステータスバーなどに出ている通知を、ゆっくり見ていきます。このとき、「どのアプリがどんな通知を出しているのか」を意識しておくとよいでしょう。

2つ目のステップは、「いらない通知を出しているアプリをメモすること」です。紙に書いてもよいですし、スマホのメモアプリにリストを作ってもかまいません。「ゲームAのイベント通知」「ショップBのクーポン通知」など、特に気になったものだけで大丈夫です。

3つ目のステップは、「スマホの設定から、アプリごとの通知の出し方を見直すこと」です。設定アプリを開き、「通知」や「アプリと通知」といった項目から、先ほどメモしたアプリを探します。そして、通知をオフにしたり、音だけ止めたり、重要なものだけにしぼったりしていきます。

4つ目のステップは、「しばらく使ってみて、また気になる通知があれば調整すること」です。一度に完璧を目指す必要はありません。数日から1週間ほどふだんどおりに使ってみて、「まだうるさい」と感じるアプリがあれば、再び設定を見直します。

この流れを何度かくり返していくと、「大事な通知だけが残っている状態」に近づいていきます。AndroidとiPhoneでは、メニュー名や画面の見た目は違いますが、「どのアプリがどんな通知を出しているかを知り、アプリごとに調整していく」という基本は共通です。

AndroidとiPhoneで通知整理の流れは違いますか？

細かいメニュー名や画面の形は違いますが、通知を整理するときの大まかな流れはほとんど同じです。どちらの場合も、「設定アプリを開く → 通知に関する項目を探す → アプリごとに通知の出し方を決める」という順番で見直していきます。

機種によってボタンの位置や名前が少しちがっても、あわてずに「通知」や「アプリ」などのキーワードを探していけば、たいてい同じような機能にたどり着けます。

よく使うアプリ別・通知設定の見直し例

ここからは、よく使われるアプリの種類ごとに、通知をどう見直すかの例を紹介します。ここでの内容はあくまで一例なので、自分の使い方に合わせて調整してみてください。

まず、チャットや通話アプリは、多くの人にとって重要度が高いアプリです。ただし、すべてのメッセージで音を鳴らす必要があるとは限りません。家族や仕事のグループだけ通知を残し、ほかのグループは音を消したり、バッジだけにしたりする方法もあります。

メールやカレンダーのアプリでは、「すべての新着メールで通知を出す」のではなく、「特定のフォルダだけ」や「予定のリマインダーだけ」にしぼると、かなり落ち着きます。ニュースレターや広告メールが多い場合は、通知を出さず、必要なときだけ自分からメールアプリを開いて確認するのもよい方法です。

ショッピングやポイント、会員アプリは、セールやキャンペーンのお知らせが多くなりがちです。よく使うお店の重要なお知らせや、配送状況だけを残し、それ以外の「お得情報」は通知を止めることも検討してみましょう。

ニュースや情報アプリは、速報が多く、社会の出来事を知るには便利です。ただし、あまりに多くのニュースがリアルタイムで飛んでくると、気持ちが落ち着かなくなることもあります。重大な速報だけ残し、その他のニュースはアプリを開いたときにまとめて見る、というスタイルもあります。

ゲームアプリは、ログインボーナスやイベントのお知らせなど、通知が多くなりやすい分野です。ゲームをよく遊ぶ人でも、すべての通知を受け取る必要はないかもしれません。本当に知りたい情報だけ残し、それ以外はオフにすることで、スマホ全体が静かになります。

代表的なアプリの種類と、通知の考え方の例を次の表にまとめます。

銀行アプリや支払いアプリの通知は切らないほうがよいですか？

銀行や支払いに関するアプリの通知は、多くの人にとって重要度が高いものです。残高の確認や利用明細、ログインや支払いの確認など、安全やお金にかかわる内容が多くふくまれます。

ただし、通知の内容が多すぎて負担になっている場合は、「すべての通知をオフ」にするのではなく、「重要なものだけ残す」設定ができないか確認してみるとよいでしょう。どうしても迷うときは、必要な通知を残す方向で考え、負担が大きくなってきたら少しずつ調整するのがおすすめです。

大事なお知らせだけ気づきやすくする工夫

通知の数を減らすだけでなく、「大事なお知らせだけはきちんと気づける状態」にしておくことも大切です。そのためにできる、いくつかの工夫を紹介します。

一つの方法は、「重要なアプリだけ音やバイブを残す」ことです。家族とのチャットアプリや、仕事で使う連絡ツールなど、本当に大事な連絡が来るアプリだけ、音やバイブをオンにしておきます。それ以外のアプリは、画面上の表示やバッジだけにしておくと、注意が必要な通知がどれか分かりやすくなります。

また、重要なアプリの通知音を、ほかのアプリとはっきり区別できるようにしておくのも効果的です。家族からの連絡にだけ、分かりやすい音を設定しておけば、スマホを見なくても誰からの通知か想像しやすくなります。

さらに、「おやすみモード」や「集中モード」のような機能も活用できます。寝ているあいだや、仕事や勉強に集中したい時間は、多くの通知を一時的にしずかにしておき、特別に許可したアプリや人からの連絡だけ通知を受け取る、といった設定ができることがあります。

通知をまとめて表示する機能がある場合は、「朝と夜だけ通知をまとめて見る」といった使い方もできます。通知が来るたびにスマホを見るのではなく、自分のペースで確認できるようになると、気持ちがラクになります。

ただし、お金や安全にかかわる重要な通知を、むやみにオフにしてしまうのはおすすめできません。通知を整理するときは、「何を減らすか」だけでなく、「何を確実に受け取るか」にも目を向けることが大切です。

とくに古いAndroid端末を使っている場合は、通知の整理とあわせて本体の安全性にも気を配ると安心です。古い端末の扱いについて知りたいときは、古いAndroidスマホを安全に使う基本も参考にしてみてください。

マナーモード中でも家族などの連絡だけ鳴らせますか？

機種やOSのバージョンによりますが、マナーモードやおやすみモードの設定の中で、「特定の連絡先だけ通知を鳴らす」ようにできる場合があります。よく電話をくれる家族などを「よく使う連絡先」に登録し、そのグループだけ通知を許可する、といった設定が可能なスマホもあります。

自分のスマホにそのような機能があるかどうかは、設定アプリの「通知」や「おやすみモード」「集中モード」といった項目をゆっくり確認してみてください。

通知整理を続けるコツとよくある質問

通知を整理しても、新しいアプリを入れたり、既存のアプリがアップデートされたりすることで、少しずつ通知の量は変わっていきます。そのため、「一度きれいにしたら終わり」ではなく、ときどき様子を見て調整することが大切です。

おすすめは、「新しいアプリを入れたとき」と「月に1回」を、見直しのタイミングにすることです。新しいアプリを入れた直後は、通知をすべて許可するのではなく、「本当に必要かどうか」を一度考えてから設定するようにします。

月に1回くらいのペースで、ロック画面や通知センターをながめてみて、「最近うるさいと感じる通知」があれば、そのアプリの設定を見直します。短い時間でかまわないので、思い出したときに少しずつ調整していくと、負担になりにくく続けやすくなります。

通知を整理していくと、「切りすぎて大事なお知らせを逃してしまわないか心配」という気持ちが出てくることもあります。その場合は、いきなりすべてをオフにするのではなく、「音だけ消す」「バイブだけにする」「バッジだけにする」といった段階的な調整を試してみてください。

通知の設定は、いつでもやり直すことができます。使ってみて不便を感じたら、落ち着いて設定を開き、少しずつ自分に合う形に変えていけば大丈夫です。

通知を整理しすぎて大事なお知らせを逃さないか心配です

心配なときは、「大事な通知のグループだけは、あえて多めに残しておく」という方法があります。たとえば、お金や安全、家族や仕事にかかわる通知は、音やバイブを残したままにしておき、それ以外の通知だけを減らしていきます。

しばらくその状態で使ってみて、不便がなければ少しずつ通知を減らすこともできますし、「やはり必要だった」と感じる通知はそのまま残せばよいでしょう。

どのくらいの頻度で通知の見直しをすればよいですか？

目安としては、月に1回くらい、すこし時間をとって通知を見直してみるとよいでしょう。また、新しいアプリを入れたときや、生活のリズムが変わったとき（仕事や学校の環境が変わるとき）も、見直しのタイミングです。

毎日こまめに調整する必要はありませんが、「最近また通知が増えてきたな」と感じたときに、その場で少しだけ設定を変える習慣をつけておくと、通知がたまりすぎる前に対処できます。