パソコンが遅い原因はこれ?不要アプリの見分け方と削除手順
まずはこれをやろう!
パソコンが遅いと感じたら、いきなり削除に進まず、短時間でできる初動から始めます。ここで大きく改善することもありますし、あとで作業をやり直すときの安全網にもなります。
- 再起動して、動き続けている処理をいったんリセットする
- 更新の確認をして、保留中の再起動がないかを見る
- ディスクの空き容量を簡単にチェックする
- 復元ポイントを作って、もしものときに戻せる準備をする
下の表は、最初にやると良いことと、おおよその時間の目安です。
| 初動タスク | 目的 | 目安時間 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 再起動 | メモリや一時処理を整理する | 2〜5分 | 長時間スリープからの復帰より効果的 |
| 更新の確認 | 不具合を直す更新がないか見る | 5〜15分 | 作業の合間に実行でOK |
| 空き容量チェック | 低下した速度の原因を探る | 1〜3分 | 10%未満だと重く感じやすい |
| 復元ポイント作成 | 失敗時に戻すための保険 | 3〜10分 | 重要な変更前に実施 |
復元ポイントは、Windowsが標準で用意している「元に戻すためのスナップショット」のようなものです。作っておけば、アプリを削除したあとに不具合が出ても、作成時点へ戻すことができます。手順は、スタートメニューで「復元ポイントの作成」を検索し、システムの保護を有効にして作成を選ぶ、という流れです。
また、空き容量はエクスプローラーの「このPC」でドライブの残りを確認できます。特にCドライブの残りが少ないと、更新や一時ファイルの書き込みが詰まり、体感が落ちます。まずはどのくらい余裕があるかを把握しましょう。
FAQ|再起動や一時ファイルの削除だけで軽くなる?
一時的な重さなら、再起動や一時ファイルの整理で改善することがあります。例えば、ブラウザーを長時間開きっぱなしにしていた、更新後に再起動していない、などの状態です。ただし、毎回すぐに重くなる場合は、常に動き続けるアプリの影響が考えられます。そのときは、次の章の見直しが有効です。
なぜ不要なアプリを削除すると軽くなるの?
パソコンの動作が遅いとき、目に見えないところでいくつかのアプリが動き続けていることがあります。これが、起動の遅さや、作業中の引っかかりの原因になることがあります。
ポイントは次の3つです。
- 自動で起動するしくみ
- バックグラウンドでの通信や更新
- 通知や常時監視の動き
自動で起動するしくみは、サインイン直後からアプリが立ち上がる仕組みです。チャット、クラウド同期、ゲームランチャーなどは、便利さのために常に待機します。これにより、メモリやCPUの一部が最初から埋まります。
バックグラウンドの通信や更新は、アプリが裏でデータを取りに行ったり、最新の状態に保つためにダウンロードしたりする動きです。ネットワークとディスクへのアクセスが増え、他の作業と重なると遅く感じます。
通知や常時監視の動きは、システムの変化を見張ってポップアップを出す仕組みです。便利ですが、数が増えると小さな負荷が積み重なります。
これらの動きが集まると、起動が長くなったり、フォルダーを開くたびに間が空いたり、ファンがよく回ったりします。不要なアプリを減らすと、同時に動く処理が少なくなり、結果としてサクサク感が戻りやすくなります。
例として、下のようなパターンがよく見られます。
- 体験版のまま残っているユーティリティが、起動のたびに更新チェックをしている
- 似た機能のクラウド同期アプリが二重に入っていて、どちらも常時監視している
- ブラウザーのツールバーやアドオンが増え、ページ表示ごとに追加の処理が走っている
FAQ|常駐アプリとサービスはどう違う?止めても大丈夫?
常駐アプリは、ユーザー向けのアプリが裏で動いている状態です。サービスは、もっと下の層で動く仕組みで、アプリ本体が起動していなくても機能します。どちらも役割がありますが、用途がなくなったアプリをアンインストールすれば、関連するサービスもまとめて減ります。手動でサービスだけを止めるより、アプリ単位で整理する方が混乱を避けやすいです。
実際にやってみよう!不要アプリの見分け方と削除
ここからは、具体的な手順です。Windows 11 と 10 で名称が少し違うことがありますが、流れは同じです。念のため、重要な変更の前には復元ポイントを作成しておきましょう。
ステップ①:アプリ一覧を開く
- 設定を開く
- 「アプリ」を選ぶ
- Windows 11 の場合は「インストールされているアプリ」、Windows 10 の場合は「アプリと機能」を開く
- 一覧が表示されたら、並べ替えを「インストール日」や「サイズ」に切り替えて、目立つ項目を見つけます
ヒントとして、サイズの大きい順にすると、大型のゲームやクリエイティブ系ソフトが上に出ます。使っていない大きなアプリが見つかれば、効果は出やすいです。インストール日の新しい順にすると、最近入った体験版や同梱ソフトを見つけやすくなります。
また、古い形式のプログラムは「コントロールパネル」から表示されることもあります。スタートメニューで「プログラムの追加と削除」または「アプリと機能」を検索して、必要に応じて両方を確認しましょう。
ステップ②:不要なアプリを探す
迷ったら、次の判断表を参考にしてください。すべての環境に同じ答えはありませんが、目安として役立ちます。
| 判断基準 | よくある例 | 削除の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 使っていない期間が長い | 体験版、キャンペーンで入ったアプリ | 不要なら検討 | ライセンス情報や設定の控えを確認 |
| 機能が重複している | クラウド同期が2種類、圧縮ソフトが複数 | どれか1つに絞る | 残す方を先に決める |
| ブラウザーの付属追加 | ツールバー、不要な拡張機能 | ほとんどは不要 | 元に戻せるようメモを残す |
| 同梱の宣伝系 | ランチャー、広告表示アプリ | 使っていなければ検討 | 本体アプリと別物のことがある |
| 古いバージョンが残存 | 旧版が並んでいる | 新版だけ残す | 移行中のデータがないか確認 |
| 不明な名前 | 読めない略称やベンダー名のみ | すぐに削除しない | 名前で検索して用途を把握 |
特に、不明な名前のものはすぐに削除せず、まずはアイコンや発行元、インストール先、サイズを見て、どのアプリに関連するかを推測します。プリンターや周辺機器のドライバー、キーボードやタッチパッドの設定ツールなど、見慣れない名前でも必要なものが含まれるためです。
使っていないけれど判断がつかない場合は、まずは「スタートアップの無効化」や「通知オフ」で様子を見るのも方法です。動作に問題が出なければ、後で削除を検討できます。
ステップ③:削除する
- 対象のアプリを選び、「アンインストール」を押す
- 表示された案内に従う(専用のアンインストーラーが開くことがあります)
- 作業中は他のアプリを閉じておく
- 完了後に再起動を求められたら、保存してから再起動する
削除後は、次の点も確認します。
- スタートアップに関連項目が残っていないか
- デスクトップやダウンロードに残ったショートカットがないか
- ブラウザーの拡張機能がそのままになっていないか
専用のアンインストーラーを使うタイプのアプリは、途中で「設定や個人データを残すか」を聞かれることがあります。あとで同じアプリに戻す可能性があるなら、設定を残す選択もあります。逆に、完全にやめるなら、設定も含めて削除すると、残りにくくなります。
削除に迷う例としては、セキュリティ対策ソフトや、デバイスの管理ツールがあります。これらは役割があるため、置き換えの準備ができてから見直しましょう。判断に自信がないときは、変更を小分けにして、効果や影響を確かめながら進めると安心です。
FAQ|アンインストール後に元に戻したいときはどうする?
復元ポイントを使って、削除前の状態に戻せることがあります。スタートメニューで「復元」を検索し、復元ポイントの一覧から作成時点を選びます。復元は、設定や一部のアプリ状態を巻き戻す仕組みです。保存した文書や写真などの個人データは基本的にそのままですが、個別のアプリが独自に管理しているデータは例外もあるため、重要なものは別途バックアップしておくと安心です。
こんな体験談も
ここでは、よくある3つの環境での例をまとめます。数値は一例であり、すべての環境で同じになるとは限りません。あくまで目安としてご覧ください。
- 古いノートPCの場合
- 写真管理ソフトの旧版と体験版が残っており、起動が遅い
- 不要な体験版とツールバーを削除し、スタートアップも見直したところ、サインイン後の待ち時間が短くなった
- 空き容量を整理したことで、更新が止まらず進むようになった
- 小型PC(ストレージが少ない)
- 容量の大きいゲームランチャーとキャッシュが場所を取っていた
- ランチャーを絞り、使わないものを削除したところ、空き容量が増え、アップデート時の詰まりが減った
- クラウド同期の対象フォルダーを見直して、必要な場所だけ同期した
- ゲーミングPC
- 複数の録画ソフトや最適化ツールが同時に起動し、裏で重なっていた
- 使わないソフトを整理し、録画は1本に統一した結果、ゲーム起動が軽くなった
- ドライバー関連は削除せず、更新のみ行い、安定性を優先した
体験から言えるのは、まずは「使っていないもの」「役割が重複しているもの」から手をつけるのが進めやすいということです。大きく変更する前に、小さく試して効果を確かめると、安心して次に進めます。
FAQ|どのくらい体感が変わる?目安はある?
効果は環境によって差があります。容量の確保や常時起動のアプリ数が減れば、起動直後のもたつきが減る、ファイルを開くまでの待ち時間が短くなる、といった変化が出やすいです。数分で終わる作業でも手応えがあることがあるので、まずは小さく試しましょう。
最後に
不要なアプリの整理は、一度で終わりではありません。季節の大掃除のように、ときどき見直すと効果が続きます。次のポイントを習慣にすると、長く快適さを保ちやすくなります。
- 新しいアプリを入れるときは、目的が終わったら見直すつもりで入れる
- 似た機能のアプリを増やしすぎない
- 更新で挙動が変わったら、スタートアップや通知を確認する
- 復元ポイントやバックアップを忘れない
また、削除の判断に迷うアプリが出てきたら、いきなり削除せず、まずは自動起動や通知を止めて様子を見る方法もあります。問題がなければ、次のタイミングで削除を検討すると、リスクを抑えられます。
FAQ|削除の前にバックアップは必要?何を残せば安心?
大切なファイルは、アプリに関係なく守りたいものです。文書、写真、作業中のデータは、外付けドライブやクラウドなどに複製を用意しておきましょう。アプリ側の設定やライセンス情報も、あとで困らないように、スクリーンショットやメモにして残すと安心です。