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表の分類と割合をきれいに見せる:サンバーストグラフ入門

k.w
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Contents
  1. サンバーストグラフを作成する前の表の準備
  2. サンバーストグラフの作成手順
  3. ラベル(数値)の表示
  4. グラフタイトルのセル参照はできない
  5. ドーナツグラフとサンバーストグラフの違い
  6. 仕上げの見やすさ調整と配色
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サンバーストグラフを作成する前の表の準備

サンバーストグラフは、親から子へと広がる階層データを同心円で表すグラフです。まずは、元になる表を正しく整えることが大切です。ここでは、最低限そろえるべき列や、よくあるつまずきを先に直す手順をまとめます。

階層列と値列の基本(親→子→…→値を定義)

階層列とは、上の階層から順に並んだ分類の列のことです。例として「地域 → 国 → 都市」のように、左ほど親、右ほど子になります。値列とは、合計したい数値(件数、売上、割合の元になる数)を置く列です。

  • 列の並びは、親から子へと左から右にそろえる
  • 1行は「ひとつの末端カテゴリ(葉)」を表す
  • 値列は数値型にしておく(文字列の数字は直す)
  • 階層の途中で空欄を作らない(親が不明なら「不明」などのラベルを付ける)

簡単な例:

  • 地域: アジア / 国: 日本 / 都市: 東京 / 件数: 120
  • 地域: アジア / 国: 日本 / 都市: 大阪 / 件数: 80
  • 地域: ヨーロッパ / 国: フランス / 都市: パリ / 件数: 40

このように、各行が末端の都市を指し、値の合計が全体になります。

事前チェックリスト(空白・合計行・重複・テキスト数値)

作成前に、次のチェックを行うとエラーや読みにくさを避けられます。

  • 空白セルがないか(特に親の列)
  • 合計行や小計行が混ざっていないか(グラフ側で自動集計されるため不要)
  • 重複行がないか(同じ葉を重ねて数えないよう注意)
  • 値列が文字列になっていないか(右寄せ、桁区切り、通貨記号の有無を確認)
  • カテゴリ名の表記ゆれ(「米国」「アメリカ」など)をそろえる

表記ゆれは、置換や参照表で統一します。値列の文字列化は、不要な記号を削除して数値に変換します。

並べ替えとグループ化の考え方

サンバーストは、親ごとの合計と配下の比率が見やすくなる並び順が合います。次の考え方を参考にしてください。

  • 親階層は大きい順または意味のある順(例:上位市場→中位→下位)
  • 子階層は親の中で大きい順に並べると、見つけやすい
  • 「その他」を作る場合は、一定の基準(例:全体の1%未満)でまとめる
  • 分岐が多すぎる場合は、階層を1段減らすか、上位カテゴリでグルーピングする

読み手に伝えたい物語(例:上位3カテゴリの構成比)に合わせて、順序を設計します。

ミニFAQ:見出し列はいくつまで作れる?(はい/いいえ形式で簡潔に)

はい:一般的なツールは複数の階層列に対応します。親→子→孫のように3段以上でも使えます。

いいえ:どの段でも空欄のままは推奨されません。空欄が多いと、意図しない集約や「未分類」が増えます。

サンバーストグラフの作成手順

ここでは、共通ステップの後に、挿入メニューから直接作る方法と、おすすめグラフから選ぶ方法の2通りを説明します。どちらも、元の表が整っていれば短い手順で作成できます。

共通ステップ(データ選択→挿入タブ→グラフ領域の準備)

  • 階層列と値列を含む範囲を選択する
  • 挿入タブを開く
  • グラフを挿入できる空き領域を確保しておく(重ならない場所)

表にフィルターや合計行がある場合は、一時的に外しておくと安定します。

分岐1:階層構造グラフの挿入(場所・バージョン注意)

挿入タブのグラフの一覧から、サンバーストを選ぶ

  • サンプルが表示されたら、データ範囲が正しいかを確認する
  • 階層列の順序がおかしい場合は、選択範囲か系列の設定を見直す

ツールのバージョンによっては、サンバーストが「階層構造」カテゴリの中にあります。見つからない場合は、更新状況やアドインの有無も確認します。

分岐2:おすすめグラフから作成(自動提案の活用コツ)

挿入タブの「おすすめグラフ」を開く

  • 提案の中から、サンバーストが候補に出ていれば選ぶ
  • 候補にないときは、階層列の構成や範囲を見直して再試行する

おすすめに出ない原因として、階層列が1列しかない、値列が空、合計行が混ざっている、などが考えられます。まずは表側を整え直すのが近道です。

補足:複合グラフは[おすすめグラフ]か[複合グラフの挿入]から(選定基準)

サンバーストと他のグラフを組み合わせたい場合は、複合グラフを検討します。とはいえ、サンバーストは面積で比率を伝えるグラフなので、棒や折れ線と同じ軸で比較するのは難しいことがあります。

  • 同じ図内で別の量を見せたいときは、グラフを分けて配置する
  • 一つのストーリーに絞ると、解釈がぶれにくい

ミニFAQ:合計列があるとエラーになる?(はい/いいえ)

はい:合計行や小計行をそのまま含めると、二重に集計されることがあります。

いいえ:明確に末端の行だけを残し、合計はグラフ側に任せれば問題ありません。

ラベル(数値)の表示

ラベルは、値を読むための一番の手がかりです。ここでは、値・割合・表示形式を整えて、重なりを避けるコツを紹介します。

値・割合・合計比の切り替え

サンバーストは、値そのものか、全体に対する割合で読む場面が多いです。読み手が何を知りたいかに合わせて切り替えます。

  • 値を見たい:件数や金額を表示する
  • 割合を見たい:全体比のパーセンテージを表示する
  • 階層の中での比率:親に対する割合を注記で補う

用途に応じて、凡例や注記で「このラベルは何を示すか」を明記します。

小数点・単位・桁区切りの設定

  • 小数点は意味のある桁に丸める(例:割合は1桁、金額は0桁)
  • 千の桁区切りを入れて読みやすくする
  • 単位(件、個、円、千円、万円など)をタイトルや注記にそろえる

単位の不一致は誤解のもとです。表もグラフも同じ単位に合わせます。

ラベルの重なり・省略記号への対処

サンバーストは扇形が細かくなると、ラベルが重なったり、省略記号になることがあります。次の工夫が役立ちます。

  • 小さいカテゴリは非表示にして、凡例で補う
  • 階層の一部だけラベルを表示し、詳細はツールチップで伝える
  • 対象のカテゴリを一時的に強調し、他を薄くする

読み手が迷わないよう、どこを省略したかを注記に残します。

ミニFAQ:中心の合計値は表示できる?(可否と代替)

できない場合がある:中心に自動で合計を出さないツールもあります。

代替案:中心にテキストボックスで合計を置く、注記で全体値を書くなどで補えます。

グラフタイトルのセル参照はできない

一部の環境では、グラフタイトルをセルに直接リンクできないことがあります。ここでは、その理由の背景と、代わりの方法を紹介します。

Office 2016以降の新しいグラフと従来の相違点

バージョンによって、グラフ機能の作りが異なります。新しい形式のグラフでは、タイトルやラベルの扱いが従来と変わり、セル参照の動作が制限される場合があります。見た目が似ていても内部の仕様が違うため、同じ手順でリンクできないことがあります。

代替案:テキストボックス・名前定義・連結で擬似参照

次の3つは、手軽で再現性のある回避策です。

  • テキストボックスにセルを参照して表示させ、グラフの中心や上に配置する
  • 名前定義を使い、セルの内容を参照する図形を作って配置する
  • グラフ自体のタイトルは固定文にして、変動部分は注記やサブタイトルに出す

これらは自動更新にも対応しやすく、共有時にも崩れにくい方法です。

ミニFAQ:更新時にタイトルを自動で変える方法は?(手軽な手法)

テキストボックスをセルにリンクして配置する方法が簡単です。

更新のたびに式が再計算され、表示が変わります。

ドーナツグラフとサンバーストグラフの違い

どちらも円形で割合を表すグラフですが、得意分野が異なります。違いを理解すると、目的に合った選択ができます。

比較:表現できる階層・読み取りやすさ・向くデータ量・凡例

次の表は、両者の主な違いをまとめたものです。

項目ドーナツグラフサンバーストグラフ
表現できる階層1階層(多くても同心円2〜3)複数階層(親→子→孫…)
読み取りやすさ少カテゴリで直感的多階層でも全体と内訳が分かる
向くデータ量少数カテゴリ、強調対象が明確中〜大規模の階層データ
凡例・注記シンプルに収まる情報量が多いので注記が重要
伝えたいこと上位の比率階層構造と配分

使い分けの目安として、カテゴリ数が少なく、階層が浅いならドーナツ。階層の関係まで見せたいならサンバーストが合います。

代表的な利用シーン(カテゴリ内訳、製品ポートフォリオ等)

  • 組織の部門→チーム→担当者の構成比
  • 製品カテゴリ→シリーズ→品番ごとの売上比
  • 地域→国→都市の人口や件数の内訳

読み手がたどる順路(上から下へ)に合わせて階層を設計すると理解が速くなります。

ドーナツの中に円グラフがあるグラフの作成方法(簡潔手順)

ドーナツの中心に別の円を重ねると、2つの指標を並べて見せることができます。次のように作成します。

  • 円グラフ(内側)を作成する
  • ドーナツグラフ(外側)を作成する
  • 2つのグラフを同じ中心に重ねる(位置合わせ)
  • 配色とラベルが干渉しないように調整する

ただし、指標の意味が混ざると読み取りが難しくなるため、目的がはっきりしているときに使います。

ミニFAQ:小さいカテゴリが多いときはどちらが読みやすい?(判断基準)

サンバースト:親ごとにまとめられるため、全体像を保ちやすいです。

ドーナツ:小さい扇形が増えやすく、区別が難しくなることがあります。カテゴリを統合してから使うと良いです。

仕上げの見やすさ調整と配色

最後に、色・順序・凡例で仕上げます。ここでの工夫が、読み手の理解速度を大きく左右します。

階層ごとの色設計(親色と子色の関係)

  • 親には基準となる色を割り当て、子は同系色で明度や彩度を変える
  • 重要な親は濃い色、そうでない親は淡い色にして主従を明確にする
  • 同じ親に属する子が一目で分かるよう、色の家族をそろえる

色の数が増えたら、色覚多様性に配慮したパレットを使うと安心です。

並べ替えとハイライトの使い方(重要カテゴリを目立たせる)

  • 大きい順に並べ替えると、注目点が見つけやすい
  • 伝えたいカテゴリだけ彩度を上げ、他は淡くする
  • 注目点には外側の太さやラベルの書式で差を付ける

色に頼りすぎず、テキストの注記でも強弱を補います。

凡例と注記の配置(スマートな説明)

  • 凡例は近くに置き、視線移動を減らす
  • 注記で、単位・集計ルール・省略した条件を簡潔に書く
  • 図の外に説明をまとめ、扇形の中は混雑させない

共有資料では、凡例や注記が読める文字サイズかも確認します。

ミニFAQ:色が足りないときの回避策は?(実用テク)

同系色の明暗で階調を作る

枠線やハッチ(模様)で区別する

重要でないカテゴリを「その他」にまとめる

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