レッドオーシャンの意味とブルーオーシャンとの違い|競争社会で失敗しない考え方
導入:競争が激しい=詰み、ではない
「頑張っても成果が出ない」「周りも同じことをしていて埋もれる」「値下げや長時間労働で消耗している」——そんな感覚があるなら、あなたがいる場所は“レッドオーシャン”的な環境かもしれません。
ただ、そこで思考停止してしまうのはもったいないです。競争が激しい場所には、確かに消耗戦の側面があります。一方で、学びが密度高く集まり、勝ち筋が見えやすい場所でもあります。
結論から言うと、レッドオーシャンは“悪”ではありません。
怖いのは「競争そのもの」ではなく、同じ土俵で同じ勝ち方をしようとして消耗することです。
この記事では、以下を持ち帰れるように整理します。
- レッドオーシャン/ブルーオーシャンの意味と違い
- レッドオーシャン度を見分けるサイン(20代向けチェックリスト)
- 失敗しないための判断軸(差別化・ニッチ・学び方)
- 転職・副業・スキル選びへの落とし込み方
読み終わったときに「今いる場所でどう戦うか」「環境を変えるなら何を基準にするか」を、自分の言葉で判断できる状態を目指します。
レッドオーシャンとは?意味をわかりやすく解説
まずは言葉の定義を押さえ、なぜ競争が激しくなるのかを整理します。ここが曖昧だと、対策もズレやすいので最初に土台を作りましょう。
特に20代のうちは、情報量が多いわりに“正解っぽい話”に流されやすい時期でもあります。定義を理解しておくと、目の前の現象(値下げ、ノルマ、疲弊)を感情ではなく構造として捉えやすくなります。
基本定義と語源(なぜ“赤い海”と呼ばれるのか)
レッドオーシャンとは、すでに多くの競合が存在し、競争が激化している市場・領域のこと。
商品やサービスが似通い、価格や広告費、営業力の“体力勝負”になりやすいのが特徴です。
たとえば、次のような状況が起きやすくなります。
- 「どこも同じに見える」ため、比較される軸が価格や条件に寄る
- 集客コストが上がり、広告や人件費が重くなる
- 短期の数字が最優先になり、改善や投資が後回しになりやすい
「赤い海」という比喩は、競争で“血が流れるほど”争いが激しい状態をイメージすると理解しやすいです。
ただし、レッド=必ず儲からない、という意味ではありません。規模が大きい市場も多く、需要が確実にあるのもレッドの特徴です。だからこそ「参入が増え、競争が激しくなる」とも言えます。
ブルーオーシャンとの違い(比較4点で即理解)
レッドオーシャンと対になる概念がブルーオーシャン。
「競争がない/少ない領域で、新しい価値を作る」発想です。
ブルーオーシャンは「市場そのものを作る」「既存の前提をずらす」ことが多く、必ずしも“最初から楽”というわけではありません。需要を教育したり、価値を説明したり、認知を作ったりするコストがかかる場合もあります。
違いは次の4点で押さえるとスッキリします。
- 市場の状態
- レッド:既存市場で競合が多い
- ブルー:未開拓・新市場で競合が少ない
- 競争軸
- レッド:他社比較で勝つ(シェアの奪い合い)
- ブルー:比較されにくい価値を作る(ルールを変える)
- 価格
- レッド:値下げ合戦になりやすい
- ブルー:価値に納得してもらいやすく、価格決定権を持ちやすい
- 価値提案(差別化)
- レッド:違いが出にくく同質化しがち
- ブルー:独自の価値設計で「選ばれる理由」を作りやすい
ここで大事なのは、「レッド=不幸」「ブルー=正解」ではないこと。
レッドでも勝てます。ただし、勝ち方の設計が必須になります。
さらに言うと、同じ業界でも「一部はブルーっぽい領域」が生まれることがあります。たとえば、既存市場の中でターゲットや体験を絞り直すことで、競争の土俵をずらせるケースです。レッドかブルーかは二択ではなく、グラデーションとして捉えると実践しやすくなります。
レッドオーシャンかも?20代社会人向け“見分けるサイン”
「自分の職場・業界はどっち?」を判断できると、取るべき行動が明確になります。ここでは20代が体感しやすい“レッド化の兆候”を具体的に確認します。
ポイントは「レッドだからダメ」と決めつけないこと。レッド環境でも、学びが残る場所なら十分に“使えます”。逆に、ブルーっぽく見えても、スキルが積み上がらないなら意味がありません。
レッドオーシャン度チェックリスト(自己診断)
当てはまるほど「同じ土俵の消耗戦」になりやすいサインです。
- 商品・サービス・提案内容が似ていて、説明が横並びになる
- 価格や条件(値引き・特典)で勝負する場面が多い
- KPIが短期売上に偏り、改善より“根性”が評価されがち
- 成果の再現性より、長時間労働や気合いが前提になっている
- 離職率が高く、入れ替わりが激しい(教育より即戦力が求められる)
- 広告費・営業人員・店舗数など“体力”で押し切る競争になっている
※チェックが多くても落ち込まなくてOKです。
次にやるべきは「逃げる」ではなく、勝ち筋を作る/学び筋を取ることです。
補足として、もしチェックが多いのに「成果が出る人が毎回同じ」「勝ち方が属人化している」場合は要注意です。勝ち方が再現できない環境は、努力が資産になりにくいからです。
「何を選ぶか」で仕事人生は大きく変わる(環境選びの判断軸)
同じ競争環境でも、成長できる競争と消耗する競争があります。
20代は特に「今の勝ち負け」よりも、将来の選択肢が増えるかが重要です。
見極めの目安はこの2つ。
- 成長できる競争:学びが明確、仕組みで改善できる、成果が再現できる
- 消耗する競争:属人化、気合い依存、値下げ依存、学びが積み上がらない
さらに見分けるなら、次の質問を自分に投げてみてください。
- ここでの経験は、社外でも通用する形で説明できるか
- 1年後に「できるようになったこと」を具体的に言えそうか
- 仕事の成果が、運ではなくプロセスで改善できるか
もし今いる場所がレッドでも、学びが積み上がる環境なら“使える”。
逆に、学びが残らない消耗戦なら、勝ち方の再設計(部署変更・役割変更・転職検討)が必要です。
成功と失敗を分けた企業事例(型で理解する)
抽象論だけだと再現しにくいので、勝ち筋・負け筋を「型」に落として理解します。固有名詞よりも、“何を変えたか/変えられなかったか”に注目します。
ここで「型」を見る目的は、単なるケーススタディではありません。
あなた自身が仕事やキャリアで選択をするときに、どこをズラせば勝ちやすいのか/どこに落とし穴があるのかを見抜けるようにするためです。
また、事例を見るときは「成功=センスが良かった」「失敗=運が悪かった」で終わらせないのが大事です。勝ち筋・負け筋には共通点があり、そこを押さえるだけで意思決定の精度が上がります。
成功例:何を“ズラして”勝ったのか(市場→戦略→結果→学び)
- 市場:競合が多く、商品が横並び
- 戦略(ズラし):
- ターゲットを絞る(誰に刺すかを限定)
- 顧客体験を磨く(購入前〜購入後までの一連を設計)
- 提供価値を言い切る(何で選ばれるかを一点突破)
- チャネルを変える(売り方・届け方の工夫)
- 仕組み化する(品質・運用・スピードを再現可能に)
- 結果:価格ではなく価値で選ばれ、指名買いが増える
- 学び:
- レッドでも「比較されにくい軸」を作れれば勝てる
- 勝負は“商品”だけではなく、体験・運用・届け方でもできる
ここで補足すると、「ズラし」は大きな革命である必要はありません。
たとえば同じ商品を扱っていても、次のように“比較の土俵”を変えるだけで勝ちやすくなります。
- ターゲットのズラし:万人向け→「特定の悩みを持つ層」へ(例:初心者専用、忙しい人専用)
- 体験のズラし:買って終わり→「継続・成果まで面倒を見る」へ(例:導入支援、コミュニティ、伴走)
- 届け方のズラし:店頭・営業→オンライン/紹介/パートナー経由へ(例:信頼のある場所に乗る)
ズラしのコツは「一点突破」です。全部を変えようとすると中途半端になりがちなので、まずは最も効く一点(ターゲット、体験、届け方など)から設計すると、違いが伝わりやすくなります。
もう一段、実務で使うなら「ズラすポイントはどこか?」を質問にして持っておくと便利です。
- 誰にとって、今の選択肢は“めんどくさい”か?(不満の強い層はどこか)
- 何が不安で買えないのか?(購入阻害を潰せると強い)
- どこで体験が途切れているか?(導線の穴が差別化になる)
これらを潰すだけでも、価格ではなく「安心」「手間の削減」「成果」などで選ばれやすくなります。
失敗例:どこで“同質化”し、負け筋に入ったのか(同フレーム)
- 市場:競争が激しく、機能差が小さい
- 戦略(同質化):
- 他社の成功をそのまま模倣(違いが出ない)
- 価格や特典で短期勝負(利益が削れる)
- 投資が続かず、改善が止まる(長期戦で不利)
- 結果:値下げ圧力に耐えられず、疲弊→撤退や縮小
- 学び:
- 「勝っている会社の形」を真似るだけでは勝てない
- 価格競争に入る前に、ズラすポイントを作る必要がある
失敗の怖いところは、「最初はうまくいっているように見える」点です。
値引きや特典は短期の数字を作りやすく、周囲から評価もされやすい。だから続けてしまい、気づいたときには利益が薄くなって身動きが取れなくなります。
負け筋に入りやすいサインは「差別化の説明が“機能の羅列”だけになっている」状態です。機能差はすぐに追いつかれます。だからこそ、体験や運用、届け方のように“真似しにくい差”へ移す発想が必要になります。
よくある“負け筋の流れ”を言語化すると、こんな感じです。
- 競合が増える
- 似た商品が並ぶ
- 比較軸が価格・条件になる
- 値引き・特典で受注(短期は伸びる)
- 利益が削れて投資できない
- 改善が遅れて、さらに価格でしか勝てなくなる
このループに入る前に「比較軸を変える一手」を打てるかが分岐点です。
レッドオーシャンで生き残る力(20代で作る“差別化の核”)
レッド環境で消耗しない鍵は、条件ではなく「選ばれる理由」を育てることです。ここでは差別化の作り方と、勝ちやすいポジション(ニッチ)の見つけ方をまとめます。
「差別化」は才能ではなく、設計で作れます。特に20代は、経験の掛け算で希少性を作りやすいので、早めに型を持っておくと後がラクになります。
差別化=自分らしさ、を「1行」で言えるようにする(言語化テンプレ)
差別化というと難しく聞こえますが、要は**「あなたが選ばれる理由」**です。
まずは“1行”で言えるようにします。
差別化1行テンプレ
- 私は (誰の) (どんな課題) を、(自分の強み) を使って、(こう解決する) 人です。
例(型):
- 私は 中小企業の採用担当 の 「応募が集まらない」課題 を、数字で改善点を見つける力 を使って、採用導線を設計し直して応募率を上げる 人です。
1行が作れたら、次は“根拠”を添えます。
- その強みがあると言える経験は?(具体エピソード)
- どんな成果につながった?(できれば数字)
- 再現するために、何を意識している?(プロセス)
ポイントは「盛る」よりも、再現できる強みに寄せること。
コスト(条件)だけで選ぶ罠:キャリアが痩せるパターン
レッド環境だと、目先の条件(年収・肩書き・楽さ)に意識が寄りがち。
でも20代でそれだけを軸にすると、キャリアが痩せることがあります。
ありがちな痩せ方:
- 待遇が良い=市場価値が上がると勘違いする
- 実は「社内でしか通用しないやり方」になり、転職市場で武器が弱い
- 仕事の中身が単調で、スキル資産が積み上がらない
ここで言う“資産”は、肩書きよりも、次のようなものです。
- どの会社でも通用するスキル(例:提案設計、分析、PM、交渉)
- 成果の記録(数字、改善前後、成果物)
- 信頼の蓄積(紹介、指名、コミュニティ)
見直すべきは「条件」ではなく、資産が増えるか。
資産とは、再現できるスキル、実績、信用、ポートフォリオです。
ニッチを見つける“手順”
ニッチは「小さい市場」ではなく、**“あなたが勝ちやすい角度”**のこと。
次の手順で見つけると、思いつきで終わりにくいです。
- 業務を棚卸しする
- 何を、どれだけ、どんな成果につなげたかを書き出す
- 得意/楽しいを抽出する
- 苦なくできる、改善が苦にならない領域を拾う
- ニーズを確認する
- 周囲に頼られる/お金が動く/困っている人が多い、を観察
- 希少性の根拠を作る
- 経験×スキル×業界知識×実績の掛け算でユニークにする
- 小さく試す
- 社内PJ、発信、資格、社外案件、勉強会などで検証する
コツは「いきなり最適解を探さない」ことです。仮説を立てて試し、反応を見て修正する。これが最短ルートになりやすいです。
キャリアにどう活かす?レッドオーシャン思考の実践法
理解しただけで終わらせず、転職・副業・スキル選びの意思決定に落とし込みます。迷ったときに使える“チェックリスト”まで用意するので、そのまま判断に使えます。
実践のポイントは「現職で試せること」と「外に広げること」を分けること。まずは社内で小さく検証し、手応えがあるなら副業や転職で拡張する流れがリスクを下げます。
競争の中で「学べること」:勝てる型を取りにいく
レッド環境の良い点は、勝ちパターンが“見えやすい”こと。
鍛えやすい型はたとえばこういうものです。
- 顧客理解(誰が何に困っているかを掘る)
- 提案設計(刺さる言い方・見せ方・順番)
- 交渉・調整(社内外の利害をまとめる)
- 高速PDCA(仮説→検証→改善を回す)
- 改善と仕組み化(属人化を減らし再現性を上げる)
大事なのは、「勝ってる人の真似」ではなく、勝ってる構造の理解です。
具体的には「なぜその提案が通るのか」「どの数字を見て改善しているのか」「誰にどう頼っているのか」まで分解すると、スキルとして自分に移植しやすくなります。
転職・副業・スキル選びの意思決定チェックリスト(5〜7項目)
迷ったら、このチェックで「失敗しにくい」側に倒します。
- 市場の伸び:その領域は今後も需要が増えそうか
- 参入障壁:簡単に真似されない要素があるか(経験・許認可・ネットワーク等)
- 差別化要素:自分の強みが活きる“ズラし”が作れるか
- 学習曲線:努力が成果に変わりやすい構造か(伸び代があるか)
- 実績化しやすさ:数字や成果物で語れるか(ポートフォリオになるか)
- 複利性(資産化):経験が積み上がるほど強くなるか(指名、紹介、蓄積)
加えて、実務的には「今の自分で試せる入口があるか」も重要です。
- まず小さくやれる案件・役割があるか(いきなり転職しなくても検証できるか)
- 続けられる設計になっているか(時間、体力、興味の持続)
チェックが弱い場合は、いきなり大きく賭けずに「小さく試す」が安全です。
まとめ:知れば、選び方・動き方が変わる
最後に、今日から動ける形で要点を回収します。知識を「行動」に変えるために、重要ポイントと次の一手をコンパクトに整理します。
レッドオーシャンは、競争が激しいぶん消耗もしやすい。
でも、定義と違いを理解して「勝ち方(ズラし方)」を持てば、必要以上に怖がるものではありません。
最後に要点を整理します。
- レッド=競争過多、ブルー=競争が少ない価値創造
- レッドでも勝てる。鍵は“同じ土俵”からのズラし
- 20代は「消耗する競争」より「学びが残る競争」を選ぶ
- 差別化は1行で言語化できると、選択がブレにくい
今日できる次の一手(3つ)
- 差別化1行を作る(誰の課題を、何で解決する人か)
- ニッチ仮説を1つ立てる(得意×需要×希少性の交点)
- 小さく検証する(社内PJ/副業/学習/発信で試す)
競争は避けるものではなく、使い方次第で武器になります。
レッドオーシャンを“理解して選ぶ”だけで、働き方はかなり変わります。
そして一番の違いは「焦り」が減ることです。市場の構造を理解できれば、必要以上に自分を責めず、次の一手を冷静に選べるようになります。