図形や画像を一時的に隠すには?PowerPointの[オブジェクトの選択と表示]活用法
[オブジェクトの選択と表示]って何?できることを先に整理
PowerPointで図形や画像を動かしていると、「つかみたいのに別の図形が選ばれる」「重なっていてクリックできない」といったことがよく起きます。そんな時に役立つのが、[オブジェクトの選択と表示]です。
この機能は、スライドの中にあるオブジェクト(図形、画像、テキストボックスなど)を一覧で見たり、名前を付けたり、表示と非表示を切り替えたりできます。目で見て操作するのが難しい場面でも、一覧から狙ったものを選べるのがポイントです。
「いったん隠して作業したい」「動かしたくないものを触らないようにしたい」という目的にも向いています。削除とは違い、非表示にしてもオブジェクト自体は残るので、あとで戻して使えます。
なお、PowerPointの画面やバージョン、会社のPC設定などにより、表示される場所や呼び方が少し違うことがあります。環境によって見え方が異なる点を前提に、この記事では考え方と手順を中心に説明します。
[オブジェクトの選択と表示]はどんな時に使う?
次のような時に特に便利です。
- 小さい図形が他の図形に隠れて、クリックで選べない
- たくさんの図形が重なっていて、どれを動かしているのか分からない
- 一時的に背景や飾りを隠して、本文の編集に集中したい
- 触りたくないパーツを非表示にして、誤操作を減らしたい
図形や画像を一時的に隠す(非表示にする)基本手順
ここでは、通常のスライド編集画面で、図形や画像を一時的に隠す流れをまとめます。やりたいことは大きく分けて3つです。
1つ目は一覧を開くこと、2つ目は隠したいものを非表示にすること、3つ目は作業が終わったら表示に戻すことです。削除ではなく一時的に隠す点が大切です。
まず、[オブジェクトの選択と表示]を開きます。見つからない場合でも慌てずに、リボン(上のメニュー)の中を探してください。多くの環境では、ホームや書式、または選択といった名前のグループの近くにあります。
一覧が開くと、スライド上のオブジェクトが上から順に並びます。右側に表示の切り替えがある場合は、それを使って非表示に切り替えます。表示されているものを隠すと、スライド上から見えなくなります。
作業が終わったら、同じ場所でもう一度表示に戻します。非表示は削除ではないので、戻す操作も同じ場所で行えます。消えたように見えてもデータは残っています。
うまくいかない時は、次の点も確認してみてください。
- そもそも非表示にしたいものがスライドマスター側の部品ではないか
- グループ化している場合、グループ全体か一部だけか
- 背景やテンプレートの飾りは通常編集では触れないことがある
非表示にしたオブジェクトは、あとで簡単に戻せる?
多くの場合、同じ一覧の中で表示に戻せます。非表示は削除とは違い、オブジェクトのデータが消えるわけではありません。
ただし、あとで探しやすくするために、オブジェクトに分かりやすい名前を付けておくと安心です。名前が自動のままだと見失いやすい点に注意してください。
複数オブジェクトを扱うときに便利な使い方
オブジェクトが少ないうちは、クリックして動かすだけでも何とかなります。しかし、図形が増えたり、画像や装飾が重なったりすると、編集の難しさが一気に上がります。
ここでは、[オブジェクトの選択と表示]を使って作業をラクにするコツを紹介します。整理の考え方を知っておくだけでも、操作が安定します。
まず大切なのは名前を付けることです。役割が分かる名前にしておくと、後で非表示や選択がしやすくなります。
次に、重なり順です。背景に近いものは奥、文字や操作したいものは手前、という整理をすると、クリックの失敗が減ります。
また、「小さい図形が選べない」時は、一覧から直接選ぶのが有効です。クリックにこだわらないのがポイントです。
小さい図形が選べない時はどうすればいい?
一覧からその図形を選ぶのが近道です。クリックで無理に狙うより、一覧で選んでから調整すると失敗が減ります。
また、周りの大きな図形や背景を一時的に非表示にしてから作業する方法もあります。選べる状態を先に作る意識が大切です。
[オブジェクトの選択と表示]が無効で使えない時のチェック
「メニューが押せない」「見当たらない」など、使えないと感じる状況はいくつかあります。ここでは、確認を順番に整理します。
まずは、次の表で状況を切り分けてみてください。対象によって操作する場所が変わることがあります。場所違いが原因のケースも多いです。
| やりたいこと | 対象の例 | 操作する場所の目安 | まず試すこと |
|---|---|---|---|
| いったん隠して編集したい | 図形、画像、テキストボックス | 通常のスライド編集画面 | 一覧を開いて切り替える |
| どうしても消えない飾り | 背景、ロゴ | スライドマスター | レイアウトを確認 |
| 背景だけ消したい | 背景画像 | 通常またはマスター | 背景設定を確認 |
急に使えなくなった時、まず何を見ればいい?
まずは「編集画面にいるか」「対象が通常スライドのオブジェクトか」を確認します。消えない飾りなら、マスター側の可能性があります。
また、共有ファイルや編集制限がある場合、操作が制限されることもあります。ファイルの状態も合わせて確認してみてください。
「消えない」の原因がスライドマスターにあるケース
通常の編集画面で選べないオブジェクトは、スライドマスターに置かれていることがあります。これは、全スライド共通の部品だからです。
背景の模様やロゴ、番号などは、通常編集では非表示にできないことがあります。マスター由来かどうかを見極めるのがポイントです。
スライドマスターのオブジェクトって、どこで見分ける?
「どのスライドにも出る」「クリックできない」場合は、マスター由来の可能性があります。
スライドマスター表示に切り替えて、同じ位置に部品があるかを確認します。一致すればマスター側と判断できます。
スライドマスターでまとめて非表示にする方法
スライドマスターを使うと、全体に影響する部品をまとめて調整できます。削除前に影響範囲を確認することが大切です。
対象のレイアウトを開き、必要に応じて非表示や削除、位置調整を行います。背景は背景グラフィックの設定で制御される場合もあります。
変更は広く反映されるため、作業前にコピーを作ると安心です。
背景グラフィックを非表示にすると、何が変わる?
背景グラフィックを非表示にすると、マスター側の背景が見えなくなることがあります。どこまで消えるかはテンプレート次第です。
思った通りにならない場合は、マスターのレイアウトに実体の図形が置かれていないかも確認してください。設定と実体の違いに注意が必要です。
困ったときの小ワザ(作業ウィンドウ・アニメーション整理)
最後に、知っておくと助かる小ワザです。必須ではありませんが、詰まった時の助けになります。
作業ウィンドウが邪魔な位置にある場合、タイトル部分をダブルクリックすると元の位置に戻ることがあります。
アニメーションが多い場合は整理も大切です。増えすぎると管理が大変になるため、不要なものは削除して軽くします。
アニメーションをまとめて消すことはできる?
複数のオブジェクトを選択してから削除することで、まとめて整理できる場合があります。
ただし環境によって挙動が違うため、コピーを作ってから試すのがおすすめです。元に戻せる状態で作業すると安心です。