検索演算子を覚えるだけで、Windowsのファイル探しが一瞬になる
まずは基本!よく使う検索演算子一覧
Windowsエクスプローラー(検索ボックス)では、検索語に条件を足すと、ほしいファイルだけを素早く出せます。ここでは、よく使う演算子を、用途ごとに見やすくまとめます。記法は半角・小文字で統一し、引用符は完全一致が必要なときだけ使います。
- 基本の考え方
- 単語だけ:あいまい検索(内容や名前に含まれるもの)
- “語 句”:この並びの語を含むもの(完全一致)
- 演算子:値:特定の条件(拡張子、サイズ、日付など)で絞る
- NOT/OR/():除外、または、グループ化
下の表は、まず覚えたい演算子です。例は任意のフォルダーでそのまま試せます。
| 用途 | 記法 | 例 | 注意 |
|---|---|---|---|
| ファイル名に含む語 | name:語 | name:見積 | 括弧や空白を含むときは””を使う:name:”第1四半期” |
| 拡張子で絞る | ext:拡張子 | ext:pdf / ext:docx | 複数は (ext:pdf OR ext:docx) |
| 種別(文書/画像など) | kind:種別 | kind:document / kind:picture | よく使う種別:document, picture, video, music, folder |
| アプリ種別 | type:種類名 | type:”Microsoft Word” | アプリ名で絞るときに有効 |
| 更新日 | modified:条件 | modified:this week / modified:>=2024-01-01 | today, this week, last month などの語も可 |
| 作成日 | created:条件 | created:2023 | 年だけでも可(=その年内) |
| サイズ | size:条件 | size:>50MB / size:tiny | tiny/small/medium/large/huge/gigantic の段階指定も可 |
| 内容(本文) | content:語 | content:”予算案” | 対象はテキストを読める形式に限る |
| フォルダー名 | folder:語 | folder:請求書 | フォルダー自体や配下の絞り込みに便利 |
| パスに含む語 | path:語 | path:共有 | ネットワークや深い階層の識別に |
| 属性 | attributes:属性 | attributes:readonly | readonly, hidden など |
| 除外 | NOT 条件 | NOT ext:tmp | 短くするなら -ext:tmp でも可 |
| または | 条件 OR 条件 | name:見積 OR name:請求 | 大文字の OR を使う |
| グループ化 | ( 条件 ) | (ext:pdf OR ext:docx) name:契約 | まとまりを作って優先度を明確に |
表にはないが役立つ小ワザもあります。
- 半角スペースは AND 的に働く(条件の足し算)
- コロンの後にはすぐ値を書く(空白を入れない)
- 期間は >= と <= で範囲指定できる(例:modified:>=2024-01-01 modified:<=2024-06-30)
- サイズの単位は KB/MB/GB を使える(例:size:>500KB)
よくある質問:大文字小文字や全角半角は区別される?
通常の検索語は大文字小文字を区別しません。演算子は半角・小文字で書くと安定します。日付と数値は半角で入れます。
なぜ検索演算子を使うべきなのか?
検索演算子を使うと、探す時間が短くなり、結果のブレも減ります。覚える量は多く見えますが、使う場面は似ています。型を決めて繰り返すほど、手が早く動くようになります。
- 時間の短縮
- 無関係な結果を最初から外せるので、クリック数が減ります。
- 精度の向上
- 名前と拡張子、更新日を組み合わせるだけで、候補は大きく減ります。
- 再現性と共有のしやすさ
- 同じ条件を同僚に伝えると、同じ結果を再現できます(例:このクエリを貼って検索して、など)。
- 学習コストの回収
- 最小の演算子だけ覚えて、後は手元のメモを参照すれば十分です。
使い始めの目安として、次の最小5点があれば多くの場面をカバーできます。
- name:
- ext:
- modified:
- size:
- NOT/OR/()
よくある質問:普通のキーワード検索と何が違う?
単語だけの検索は広く当たります。演算子は条件を指定して、外れを除きます。結果数が減るほど、確認の手間が小さくなります。
実際に使える!検索演算子の組み合わせ例
ここでは、そのまま貼って少し直すだけで使えるテンプレを紹介します。語や日付を自分の環境に合わせて書き換えてください。半角・小文字で統一し、値はダブルクォーテーションを必要なときだけ使います。
1) 仕事(見積/議事録/最新ドラフト)
- 見積書の最新版だけを出す
- name:見積 ext:xlsx OR ext:xlsm modified:this month NOT content:サンプル
- 取引先名が入った請求書(PDFと画像を両方)
- name:請求 (ext:pdf OR kind:picture) content:”株式会社○○”
- 会議の議事録(Word か OneNote を対象)
- (type:”Microsoft Word” OR name:OneNote) name:議事録 modified:this week
- 「ドラフト」版の提案書で、サイズが大きいものだけ
- name:ドラフト type:”Microsoft PowerPoint” size:>20MB modified:>=2024-04-01
- 契約関連の文書で、テンプレートを除外
- content:契約 (ext:pdf OR ext:docx) NOT name:テンプレ NOT folder:テンプレ
2) 画像整理(連写除外/縦横/期間限定)
- 連写で増えた小さな画像を除外し、良さそうな写真だけにする
- kind:picture size:>2MB modified:last month NOT name:IMG_*
- スクリーンショットだけを探す
- name:スクリーンショット OR name:Screenshot kind:picture
- 縦長写真だけに絞る(Exifを活用できる環境向けの目安)
- kind:picture size:>1MB content:Orientation NOT name:thumb
- 動画ファイルのうち、重いものだけを洗い出す
- kind:video size:>1GB modified:this year
- RAW か JPEG に限定して最近のもの
- (ext:cr2 OR ext:nef OR ext:arw OR ext:jpg OR ext:jpeg) modified:>=2025-01-01
3) 学習・資料(PDF要点/PowerPoint/章キーワード)
- PDFの本文に特定の語がある資料
- ext:pdf content:”要約” modified:>=2024-10-01
- 授業のスライドで章番号が入ったファイル
- type:”Microsoft PowerPoint” name:”第*章” modified:this semester
- 参考文献のWordファイルで、図表が多い大きめのもの
- type:”Microsoft Word” size:>5MB content:図 ext:docx
- 学会発表のドラフトで、古い版を除外
- name:ドラフト type:”Microsoft PowerPoint” NOT name:old NOT name:backup
- 研究ノート(テキスト)の最近1週間分
- ext:txt name:note modified:this week
4) トラブル対応(巨大ファイル/重複名/一時ファイル)
- ドライブの容量を圧迫する巨大ファイルを見つける
- size:>2GB NOT kind:folder
- 同名ファイルが散らばっている場所を洗う
- name:最終版 OR name:final (ext:docx OR ext:pptx OR ext:xlsx)
- 一時ファイルやバックアップをまとめて外す
- NOT (ext:tmp OR ext:log OR name:~$* OR name:*backup*)
- ネットワーク配下で遅いとき、まずは範囲を小さくする
- path:”\\\\\\\\server\\\\share” name:対象語 size:<10MB
- 古いキャッシュやサムネイルっぽい画像を外す
- kind:picture NOT (name:thumb* OR name:cache* OR size:<200KB)
よくある質問:演算子の順番やスペースに決まりはある?
スペースは AND 的に働くので、順番で意味が変わることは基本的にありません。ただし、OR と () を使うときは、まとまりがわかるように括弧で囲うと安全です。
注意点:こんな落とし穴に気をつけて
検索がうまく行かない原因は、設定と表記のどちらかにあることが多いです。下の順に確認すると切り分けが早くなります。
- インデックスが作られていない
- 新しく追加した場所やネットワーク先は、インデックスに含まれていないことがあります。
- まずローカルの小さな範囲で試し、次に対象フォルダーのプロパティを確認します。
- 隠し/システムファイルが除外されている
- エクスプローラーの表示設定で、隠し/システムを非表示にしていると結果に出ません。
- 権限やネットワークが原因で遅い
- アクセス権がない場所や、回線が細い場所はヒットしても開けないことがあります。
- 表記ゆれ・拡張子の誤解
- “見積” と “御見積”、半角/全角、英数字の表記違いで漏れます。広く当てたいときは content: と OR を使います。
- ワイルドカードの誤用
- “+” や “?” などの記号は想定通りに働かないことがあります。まずは name:語 と OR/() で組みます。
対処の小さなコツもまとめます。
- まずフォルダーを絞る(対象の一番上の階層を開いてから検索)
- それでも多いときは ext: と modified: を足す
- 出ないときは、語を短くして広く当て、ヒット後にさらに狭める
- ネットワークやクラウドでは path: と size: を活用して負荷を下げる
よくある質問:それでも出てこない時は何を確認する?
まず検索場所が合っているかを見ます。次に、拡張子や日付の条件が厳しすぎないかを緩めます。最後に、語を短くしてから OR を増やします。
まとめと練習用チートシート
最初は全部を覚える必要はありません。次の型をメモにしておくと、ほとんどの場面で間に合います。自分の業務語に置き換えて使ってください。
- 基本の型(最小)
- name:語 ext:拡張子 modified:期間
- 例:文書を月内で絞る
- name:キーワード ext:docx modified:this month
- 例:画像の重いものだけ
- kind:picture size:>2MB modified:this year
- 例:PDFかWordで、テンプレ除外
- (ext:pdf OR ext:docx) NOT (name:テンプレ OR folder:テンプレ)
- 例:期間を数値で指定
- modified:>=YYYY-MM-DD modified:<=YYYY-MM-DD
練習用の短いクエリを置いておきます。日付や語だけ差し替えて、タイピングの型を体で覚えます。
| 目的 | クエリ(そのまま貼って語だけ直す) |
|---|---|
| 最新の見積(今月、Excel) | name:見積 (ext:xlsx OR ext:xlsm) modified:this month |
| 契約のPDFとWord | (ext:pdf OR ext:docx) name:契約 |
| 大きめのPPT | type:”Microsoft PowerPoint” size:>20MB |
| 最近の写真だけ | kind:picture modified:this week |
| 古い一時ファイルを外す | NOT (ext:tmp OR name:~$* OR name:*backup*) |
最後にもう一度、使い方の順序を示します。
- 探すフォルダーを開く
- name: と ext:/kind: を入れる
- modified: を足す
- NOT と OR/() でノイズを整理する
- 結果が多ければ size: や created: でさらに狭める
よくある質問:まず覚えるならどれから?
name:, ext:, modified:, NOT の4つを先に覚えます。次に OR と () を加えます。size: と content: は必要になったら足せば十分です。