同じプレゼンを左右で比較表示する手順(閲覧表示と標準表示に対応)

新しいウィンドウを開く
ここでは、同じプレゼンファイルを2つのウィンドウで開く準備をします。本文では「表示モード=画面の見え方」という意味で使います。まずはウィンドウを複製して、切り替えやすい状態を作ります。PowerPointとGoogleスライドのどちらでも、考え方は同じです。
同じファイルを別ウィンドウで開く(PowerPoint/Googleスライド)
PowerPointでは、同じファイルをもう1つ開くときは、ファイルを通常どおり開いたあと、アプリをもう一度起動して同じファイルを開きます。Googleスライドでは、同じプレゼンを別タブで開き、必要に応じてウィンドウに分離します。どちらの場合も、ファイルはひとつですが、表示する窓を2つ作るイメージです。
ウィンドウの切り替え(タスク切替/Mission Control)
Windowsではタスク切替でウィンドウを素早く移動できます。macOSではMission Controlで並びを確認し、目的のウィンドウに切り替えます。切り替え操作を覚えておくと、横並び作業中の迷いが減ります。
WindowsとmacOSでの基本操作(用語をそろえる)
Windowsでは「ウィンドウをスナップする」と言い、画面の左右に固定できます。macOSではウィンドウ左上の緑色ボタンを使い、並べて表示に近い状態を作れます。名称は違いますが、どちらも役割は同じで、二つの窓を見やすく配置するための機能です。
ミニQ&A:新しいウィンドウで開けないときは?
別のウィンドウやタブで開いてから、ウィンドウに分けると解決することがあります。
並べて表示
次は2つのウィンドウを横に並べ、見比べやすい配置を作ります。ここでは、左右固定と表示倍率(ズーム)をそろえることをゴールにします。これができると、視線の往復が短くなり、比較が速くなります。
2つのウィンドウを左右に固定(スナップ/分割)
Windowsではウィンドウを画面端へドラッグすると半分に固定できます。macOSでは緑ボタンから並べて表示を選ぶ方法が一般的です。固定したら、左を編集用、右を参照用にすると動きが安定します。配置の役割分担を決めると操作が迷いにくくなります。
表示倍率をそろえる(ズーム/ショートカット)
2つのウィンドウでスライドの大きさが違うと、細部の比較が難しくなります。まず片方の倍率を決め、もう片方を合わせます。倍率は数値でそろえるか、同じ見え方になるように調整します。文字の行数や図形の幅が近づけばOKです。
見比べやすい配置のコツ(左:編集/右:参照)
左に編集、右に参照という配置は、多くの人にとって視線移動が自然です。編集側ではガイドやグリッドを表示し、参照側では不要なパネルを閉じます。こうすることで、編集ミスを減らし、確認を素早く行えます。
ミニQ&A:モニター1台でも並べられる?
ウィンドウを半分ずつに固定すれば、1台でも横並びで作業できます。
閲覧表示と標準表示を並べて操作
ここでは表示モードの使い分けを説明します。標準表示は編集に向き、閲覧表示は再生に近い見え方です。片方を標準表示、もう片方を閲覧表示にすると、作りながら最終形をすぐ確認できます。
閲覧表示の特徴(再生に近い見え方)
閲覧表示では、余白や編集用のパネルが出ません。アニメーションや画面切り替えの流れも確認しやすくなります。編集操作は限定的になりますが、完成形のイメージがつかみやすい点が利点です。
標準表示の特徴(編集向けの見え方)
標準表示はツールやスライド一覧が見え、文字や図形の調整がしやすいモードです。細かな整列や配置をする場合は、標準表示が基本になります。
片方を閲覧表示、片方を標準表示にする手順
まず2つのウィンドウを並べます。次に、右側のウィンドウを閲覧表示に切り替え、左側は標準表示のままにします。これで、左で編集、右で見え方をすぐ確認する流れができます。
同じページに合わせるコツ(同期せず目視で調整)
両方のウィンドウで同じスライド番号に合わせます。同期機能がない場合でも、番号を見て目視で合わせれば十分です。編集後に右側の見え方を確認し、必要があれば倍率を微調整します。
ミニQ&A:片方だけ再生するともう一方はどうなる?
もう一方はそのままです。編集と確認を独立して進められます。
閲覧表示と標準表示のちがい(概要)
項目 | 閲覧表示 | 標準表示 |
---|---|---|
編集の可否 | 基本は不可/限定的 | 可能 |
アニメーション確認 | しやすい | 限定的 |
スピーカーノート | 表示しやすい | 一覧やパネルで確認 |
周辺パネル | 非表示で広く見える | 表示(編集しやすい) |
別のプレゼンテーションを並べてスライドをコピー
ここでは、別ファイルを横に置いてスライドを再利用するやり方をまとめます。目的は、見た目をできるだけ保ったまま、安全に移すことです。貼り付けの方法で仕上がりが変わるため、違いを理解して選びます。
スライドの再利用(安全な持ち込み手順)
まずコピー先とコピー元を横に並べます。次に、コピーしたいスライドを選び、ドラッグ&ドロップまたはコピー&貼り付けで移動します。元のデザインを保ちたいときは、貼り付け時のオプションを確認します。
ドラッグ&ドロップの注意点(レイアウト崩れ対策)
ドラッグで移すと、テーマの違いによりレイアウトが変わることがあります。段落行間や図形の位置など、見た目が微妙にずれることがあるため、移した直後に確認して、必要な箇所だけ整えます。
テーマとフォントを保つ貼り付けオプション
貼り付けオプションには「元の書式を保持」「先のテーマに合わせる」などの考え方があります。どちらを選ぶかで、色やフォントが変わる可能性があります。貼り付けオプションの選択ミスがあると、想定と違う見た目になることがあるため、結果を確認してから作業を進めます。
画像・動画などのリンク切れを避ける一般的なコツ
画像や動画を外部ファイルとして参照している場合、移動後に参照先が見つからないことがあります。コピー前に素材の保存場所を整理し、移した後は再生や表示の確認を行います。これは一般的な注意点で、個別の環境設定までは扱いません。
ミニQ&A:フォントや色が勝手に変わるのはなぜ?
貼り付け時に適用されるテーマや置換設定が影響するためです。
貼り付けオプションと影響(例)
オプションの考え方 | 見た目への影響 | 向いている場面 |
---|---|---|
元の書式を保つ | 色・フォントを維持しやすい | ブランドや配色を崩したくない |
先のテーマに合わせる | 配色・フォントが置換される | 全体の統一感を優先したい |
図として貼り付け | 見た目は固定される | 編集せず形だけ見せたい |
重ねて表示
横並びが難しい場合は、片方を上、もう片方を下に置いて重ねて比較する方法もあります。片方のウィンドウ幅を少し小さくし、相手の一部が見えるようにすると切り替えやすくなります。重ねる位置とサイズを決めるだけでも、比較の効率が上がります。
重ね表示のメリット/デメリット
メリットは、画面が狭くても両方を見られる点です。デメリットは、同時に全部は見えないため、細部の見比べに時間がかかることです。作業環境に合わせて選びます。
半透明や透過を使ったチェック方法(対応範囲で)
図形や画像に半透明を使い、重ねてずれを確認する方法があります。対応している範囲で使うと、位置合わせの確認に役立ちます。ただし、最終表示では透過を戻すのを忘れないようにします。
重ねるときの整列・前面背面の基本
重なり順を前面・背面で調整し、必要に応じてガイド線を使います。端や中心で合わせると、比較したい部分がそろいやすくなります。枠線と余白を目印にすると、合わせやすくなります。
ミニQ&A:重ね表示がずれるときの対処は?
基準線となる図形やガイドを一つ決め、そこに合わせてから他の要素を整えると直しやすいです。
内部リンク候補(アンカー文付き)
- 配色をそろえる基本ルール(別記事):デザインの差を小さく保つコツ
- 画像を軽くする前処理のやり方:並べて表示でも動作を軽くしたいとき
- スライドの文字がにじむときの対処:拡大表示でも読みやすくする
- プレゼン配布用PDFの作り方:閲覧表示の見え方を配布用に近づける