クイックアクセスツールバーの表示切替と場所の変え方手順

クイックアクセスツールバー(QAT)とは
クイックアクセスツールバー(Quick Access Toolbar、以下「QAT」)は、よく使うコマンドを小さなボタンでまとめて置ける場所です。画面の上部やリボン(画面上のタブ付きの帯)近くにあり、どのタブを選んでいても使えます。ここに登録しておくと、マウスの移動やタブ切替の回数を減らせます。
本記事では、表示/非表示の切替、表示位置の変更、コマンドの登録/解除、順番の入れ替え、設定の保存と復元、アクセスキーによる実行までをやさしい手順でまとめます。画面の表記は Microsoft 365 / Office 2021 などで少し異なる場合がありますが、要点は同じです。
FAQ:QATと「リボン」は何が違う?
リボンはタブごとに多くのコマンドを並べる「大きなエリア」です。QATはその外側にある「小さな常設エリア」で、よく使うものだけを置きます。役割が違うので、使い分けると作業が速くなります。
QATが見えない時の確認と非表示設定
QATが見えない場合、主な原因は(1)非表示にしている、(2)ウィンドウ幅が狭く折りたたまれている、(3)表示位置の切替で見失っている、のいずれかです。まずはメニューを開いて状態を確かめましょう。
基本の確認手順は次の通りです。QATの右端にある▼(ユーザー設定メニュー)を開き、チェックが付いている項目を見ます。「クイックアクセスツールバーを表示」「リボンの下に表示」などのオン/オフがここで切り替えられます。
クイックアクセスツールバーを再表示するには
QATが非表示のときは、画面右上付近の▼を選び、「クイックアクセスツールバーを表示」をオンにします。リボンが最小化されていると見つけにくいので、その場合はタブ名をダブルクリックして一時的に展開し、同じ手順で切り替えます。アプリを再起動しても設定は維持されます。
FAQ:最小化しているだけの時は?
リボンを最小化していると、QATの場所が分かりづらくなります。タブをダブルクリックしてリボンを展開し、QATの▼メニューを開いて表示状態を確認してください。ウィンドウを広げると表示が戻ることもあります。
QATの表示位置を変える(上部⇄リボンの下)
QATは、アプリ上部(タイトルバー付近)とリボンの下の2か所を切り替えられます。マウス移動が少ない方を選ぶと効率的です。切替はQATの▼メニューから行います。
手順:QATの▼ > 「リボンの下に表示」を選ぶと、QATがリボンのすぐ下に移動します。元へ戻したいときは同じ場所で「上部に表示」を選びます。表示位置はアプリごとに記憶されるため、ExcelとWordで別の位置にしておくことも可能です。
コマンドラベルの表示と非表示
QATをリボンの下に置くと、ボタン名(ラベル)を表示できる場合があります。見やすさを重視するならラベルを表示、横幅を節約したいなら非表示にします。設定はQATの▼メニューから変更できます。
FAQ:元の位置に戻すには?
QATの▼ > 「上部に表示」を選びます。見つからないときはアプリをいったん最大化し、右上付近にあるQATの▼を探してください。
QATにコマンドを登録・解除する
よく使うコマンドをQATに登録すると、どのタブでもワンクリックで呼び出せます。登録方法は主に3通りあります。ここでは差分だけを端的に説明します。取り消し(解除)は同じ場所から行えます。
ユーザー設定(QATの▼メニュー)から表示/非表示
QATの▼ > よく使う基本コマンドにチェックを付けるだけで登録できます。チェックを外せば解除です。迷ったらまずここから始めるのが簡単です。
リボンのコマンドを(右クリック)して登録
リボン上のコマンドを右クリックし、「クイックアクセスツールバーに追加」を選ぶと、QATに個別ボタンとして追加されます。頻度が高い作業を素早く置けるのが利点です。
[オプション]ダイアログから登録
[ファイル]>[オプション]>[クイックアクセスツールバー]を開きます。左側の一覧からコマンドを選び「追加」ボタンで右側へ移し、[OK]で確定します。ここではすべてのコマンド(隠れている項目も含む)から選べるのが特徴です。
登録したコマンドの解除
解除は、QAT上のボタンを(右クリック)して「クイックアクセスツールバーから削除」を選ぶか、[オプション]の同画面で右側の一覧から「削除」を実行します。
登録方法の違いは次のとおりです。
方法 | 手間 | 覚えやすさ | 向く場面 |
---|---|---|---|
QATの▼メニュー | 最小 | 簡単 | 基本コマンドをすぐ置きたい |
リボンで右クリック | 小 | 直感的 | 今使った機能を追加したい |
[オプション]ダイアログ | 中 | 一覧で選択 | 細かく選びたい/大量に登録 |
FAQ:登録したのにボタンが出ない時の確認点
表示位置が「上部」でウィンドウ幅が狭いと、一部のボタンが隠れることがあります。ウィンドウを広げるか、表示位置を「リボンの下」に切り替えてみてください。登録先が「このアプリ全体」か「開いているファイル限定」かも確認しましょう。
コマンドボタンの順番を変える
順番はドラッグで入れ替えられる場合があります。できないときは[ファイル]>[オプション]>[クイックアクセスツールバー]で右側の一覧を選び、上矢印/下矢印ボタンで並べ替えます。作業の流れに沿って左から右へ並べると操作が安定します。
FAQ:順番を初期状態に戻すには?
[オプション]>[クイックアクセスツールバー]で「リセット」を選ぶと既定の並びに戻せます。戻す前に現在の設定をエクスポートしておくと安心です。
特定のファイルだけにQATを登録する
アプリ全体に共通のQATと、開いているファイルだけに有効なQATを切り替えられる場合があります。ファイル限定にすると、その資料にだけ必要なボタンを並べられます。共有環境では、テンプレート(ひな形)に設定を入れておくと再利用しやすくなります。
FAQ:他のファイルへ同じ設定を使うには?
設定をエクスポートして別のPCやユーザー環境へ読み込む方法が安全です。後述の「バックアップと復元」を参考にしてください。
QAT設定のバックアップと復元
PCの入れ替えや不具合の切り分けに備えて、QATの設定を保存しておくと安心です。エクスポートで外部ファイルに書き出し、必要になったらインポートして復元します。リセットは最終手段として使い、事前のバックアップを忘れないようにしましょう。
ユーザー設定のリセット(重要:実行前にバックアップ)
[ファイル]>[オプション]>[クイックアクセスツールバー]で「リセット」を選ぶと、QATを既定状態に戻せます。元に戻せないことがあるため、実行の前に現在の設定を書き出しておくのがおすすめです。
ユーザー設定のインポート/エクスポート
同じ画面で「インポート/エクスポート」を選び、保存先を決めて書き出します。復元時は保存したファイルを指定して読み込みます。クラウドドライブに置いておくと、PCの故障や入れ替え時もスムーズです。
FAQ:別PCへ移す時の注意点は?
アプリのバージョンが違うと、まったく同じ見た目にはならないことがあります。まずバックアップを取り、必要に応じて再調整してください。社内ポリシーで持ち出しが制限される場合は、ルールに従いましょう。
QATのコマンドをアクセスキーで実行する
キーボード操作が多い人は、アクセスキー(Altキーを押すと出るガイド)でQATのボタンを実行できます。Altを押すと、リボンやQATの上に文字や数字が表示されます。表示されたキーを順に押すと、マウスに触れずにコマンドを実行できます。
FAQ:アクセスキーの表示が出ない時は?
Altを単独で押してから手を離すと表示されます。ノートPCで機能キーと競合する場合は、Fnキーとの組み合わせ設定を確認してください。画面収録ソフトを使っていると表示が抑制されることもあります。