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子どもにスマホやタブレットを持たせる前にやっておきたい設定まとめ

k.w
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子どもにスマホやタブレットを渡す前に整理したいポイント

子どもにスマホやタブレットを渡す前に、まず立ち止まって「なぜ必要なのか」を考えてみましょう。

なんとなく周りの友だちが持っているから、という理由だけで決めてしまうと、あとから「こんなはずではなかった」と感じる場面が増えやすくなります。先に家族の中で考えをそろえておくと、そのあとに行う設定やルール決めがぐっと楽になります。

スマホやタブレットを子どもに持たせる目的は、大きく分けると次のようなものが多いでしょう。

  • 学校や塾、習いごとなどとの連絡手段として使う
  • 地図アプリや検索を使って、調べ学習に役立てる
  • 動画やゲーム、音楽などで、休み時間の楽しみとして使う
  • 写真や動画を撮って、思い出を残したり、作品づくりに使う

このように、良い面はたくさんあります。一方で、心配ごともいくつかあります。

  • ゲームや動画を長時間見続けてしまい、生活リズムがくずれる
  • 年齢に合わない内容の動画やサイトを、たまたま見てしまう
  • 友だちとのチャットやSNSで、言葉のトラブルが起きてしまう
  • 課金やネットショッピングで、予定していないお金を使ってしまう

これらの心配をゼロにすることはむずかしいですが、事前の設定と、親子の話し合いでかなり減らすことはできます。

ここで大事なのは、「設定」や「ルール」は子どもをしばりつけるためのものではない、という考え方です。むしろ、子どもが安心して使えるように、危険なところに急に近づきすぎないようにするためのガードレールのようなものです。

この記事では、そんなガードレールを用意するために、スマホやタブレットの設定でできることを順番に説明していきます。全部をいきなり完璧にする必要はありません。できそうなところから少しずつ試していけば十分です。

また、親自身もスマホやタブレットをどう使うかを見直しておくと、子どもに説明しやすくなります。親が使いやすく工夫するための例として、家にある物でタッチペンを工夫する記事もあわせて読むと、操作しやすくなるヒントが見つかるかもしれません。

何歳ごろからスマホやタブレットを持たせる家庭が多いですか?

何歳から持たせるかは、家庭ごとの考え方や生活環境によって大きく変わります。小学校高学年から持たせる家庭もあれば、中学生になってからという家庭もあります。

通学の距離や、子どもだけで外出する機会の多さなども関係します。周りの家庭の様子だけで決めるのではなく、「なぜ必要なのか」を親子で話し合い、その子に合ったタイミングを選ぶことが大切です。

子ども用スマホの基本設定:画面ロックとアカウント

子どもにスマホやタブレットを渡すとき、最初に見直しておきたいのが「画面ロック」と「アカウント(ユーザー)」の設定です。この二つを整えておくと、もし端末をなくしてしまった場合や、家族以外の人が触ることになった場合の心配を減らせます。

画面ロックとは、電源を入れたときや画面をつけたときに、番号や顔などで本人確認をするしかけのことです。多くの端末では、次のようなロック方法が選べます。

  • 数字の暗証番号(4桁や6桁など)
  • いくつかの点をなぞるパターンロック
  • 指紋を読み取る指紋認証
  • 顔を読み取る顔認証

どの方法がよいかは端末や家庭の方針によって変わりますが、子どもが覚えやすく、他の人に当てられにくいものを選ぶとよいでしょう。たとえば、誕生日や電話番号のように、他人にも想像されやすい数字は避ける、というような工夫が考えられます。

ロック番号を決めるときは、親子でいくつか案を出し、「覚えやすさ」と「安全さ」のバランスを話し合うと、子どもも自分ごととして考えやすくなります。ただし、あまり複雑にしすぎると、本人が忘れてしまいがちです。迷ったときは、無理に複雑にしすぎないことも大切です。

次に、「アカウント」や「ユーザー」と呼ばれるものについてです。これは、スマホやタブレットの中にいる「持ち主の情報」のようなもので、メールアドレスや名前、使うアプリなどがひもづいています。

親と子どもが同じアカウントを共有してしまうと、次のような困りごとが起きやすくなります。

  • 親あてのメールや通知を、子どもがうっかり見てしまう
  • アプリの購入履歴や検索履歴が混ざってしまい、管理しにくくなる
  • 子どもが使っているつもりで、親のデータまで消してしまう

そのため、可能であれば子ども用のアカウントやユーザーを分けることを検討しましょう。多くのスマホやタブレットでは、「子ども用プロファイル」「ファミリー機能」などの名前で、子ども向けの利用環境を用意できるしくみがあります。

具体的な作成方法は、端末の種類やサービスによって異なります。実際に設定するときは、公式サイトや取扱説明書の案内にそって進めるのがおすすめです。この記事では、どの端末でも共通する「考え方」の部分を中心にお伝えします。

パスワードやロック番号を、親だけが知るのか、それとも親子で共有するのかについても、家庭ごとに考え方が分かれます。見守りを重視するなら、親も知っておいたほうがトラブルに対応しやすい場合があります。一方で、ある程度の年齢になった子どもには、プライバシーへの配慮も必要になってきます。

大切なのは、「なぜその決め方にするのか」を子どもにも分かる言葉で説明しておくことです。そうすることで、子どもも納得しやすくなり、ロック番号の扱いにも気をつけようという気持ちが生まれやすくなります。

子どもの画面ロックの番号は、親も知っておいたほうがいいですか?

小学生や中学生など、まだ自分だけでトラブルに対応するのがむずかしい年齢では、親もロック番号を把握しておく家庭が多いでしょう。なくしたときや、設定を見直したいときに、親がすぐ中身を確認できるメリットがあります。

一方で、年齢が上がってくると、友だちとのやりとりなど、子どもなりのプライバシーも生まれてきます。その場合は、親も番号を知っていることを伝えたうえで、「困ったときだけ一緒に確認する」といったルールを話し合う方法もあります。

アプリとサイトの制限で、見せたくない内容を減らす

スマホやタブレットには、アプリやサイトの内容をある程度しぼるための機能が用意されています。これらを上手に使うと、子どもに見せたくない内容が表示されるかもしれない場面を、ある程度減らすことができます。

ここでは、代表的な制限の種類を紹介し、「どんなことを決めておくと安心か」を整理していきます。

まずは、アプリに関する制限です。よくある項目には、次のようなものがあります。

  • アプリを新しくインストールできるかどうか
  • アプリ内で課金ができるかどうか
  • 年齢に合わないアプリを、一覧に出さないようにするかどうか

これらの制限は、多くの場合、親のパスワードや暗証番号がないと変えられないようになっています。どの項目をどこまでしぼるかは、子どもの年齢や生活スタイルを見ながら、少しずつ調整していくとよいでしょう。

次に、サイトや動画の内容をしぼる機能です。ブラウザアプリや動画アプリの中には、「子ども向けモード」「年齢に応じたフィルター」などを用意しているものがあります。これらをオンにしておくと、過激な表現や大人向けの内容が表示されにくくなります。

ただし、どの機能も完璧ではありません。フィルターを通りぬけてしまう内容がゼロになるわけではない、という点はおさえておきましょう。その意味でも、設定だけに頼るのではなく、子どもが「こんな内容を見てしまった」と話しやすい雰囲気をつくることが、とても大切です。

ここでは、イメージをつかみやすくするために、アプリとサイトの制限を簡単な表にまとめてみます。

制限の種類子どもができること親だけができること
アプリのインストールあらかじめ許可されたアプリを使う新しいアプリを入れるかどうかを決める
課金の制限無断で課金しないように気をつける課金時にパスワードや承認を求める設定にする
年齢フィルター表示された内容の中から、見たくないものはすぐ閉じるフィルターの強さや対象年齢の設定を調整する

このように、「子どもが気をつけること」と「親が設定でできること」を分けて考えると、役割分担がはっきりして、お互いに意識しやすくなります。

アプリで勝手に課金されないようにするには、どんな設定を見直せばいいですか?

まず、アプリ内で課金するときに、必ずパスワードや暗証番号を入力させる設定になっているかを確認しましょう。あわせて、一定時間は入力を省略する設定になっていないかもチェックすると安心です。

また、子ども用のアカウントでは、そもそも課金そのものをオフにできる場合もあります。端末やサービスごとの案内を参考にしながら、「課金の前には必ず大人に相談する」というルールづくりもあわせて行うとよいでしょう。

使いすぎをふせぐ時間制限と、家庭のルールの決め方

スマホやタブレットは便利な一方で、つい長時間使ってしまいやすい道具でもあります。そこで役立つのが、「利用時間を計ったり、一定時間をこえると使えなくしたりする機能」です。

端末によって名前は少しずつ違いますが、「スクリーンタイム」「デジタルウェルビーイング」「利用時間の制限」などとよばれています。ここでは、名前よりも考え方に注目してみましょう。

時間制限の機能を使うと、次のようなことができます。

  • 1日に使ってよい合計時間を決める
  • 特定のアプリだけ、1日の利用時間をしぼる
  • 夜の一定時間帯は、通知やアプリの利用を止める

これらはあくまで一例で、すべてを使う必要はありません。まずは「使いすぎが気になっている場面」を親子で確認し、その部分だけを重点的にしぼると取り入れやすくなります。

時間の目安は家庭によってさまざまですが、イメージをつかむために、あくまで一例として表にしてみます。

区分平日の例休日の例
合計の利用時間1時間前後2時間前後
使ってよい時間帯宿題や習いごとが終わったあと家の用事が終わったあと
使わない場所や時間食事中、寝る前の30分など食事中、家族で話している時間など

実際には、習いごとの時間や家族の生活リズムによって、この目安は変わります。上の表をたたき台にして、「うちの家ではどうするか」を話し合うきっかけにしてみてください。

ルールを決めるときのコツは、「親が一方的に決めないこと」です。子どもにも意見を出してもらい、「なぜその時間なのか」を説明し合うことで、納得感のあるルールになりやすくなります。そのうえで、実際にしばらく暮らしてみて、うまくいかないと感じたら、少しずつ調整していけばよいでしょう。

また、「時間」だけでなく、「場所」のルールを決めることも大切です。たとえば、寝室にはスマホを持ちこまない、食卓には置かないなど、決めやすいところから始めるのも一つの方法です。

時間制限をきびしくしすぎると、子どもが納得してくれないときはどうすればいいですか?

まずは、なぜその時間にしたいのか、親の考えをていねいに説明してみましょう。勉強や睡眠、家族との会話など、スマホ以外の大事な時間を守るためであることを伝えると、理由が伝わりやすくなります。

そのうえで、子どもの希望も聞き、小さなゆずり合いを探すことがポイントです。たとえば、休日だけ少し長めにする、テスト前は時間を短くする代わりに、終わったら見直すなど、話し合いながら調整していくと、お互いに納得しやすくなります。

SNSやチャットを始める前に、親子で話しておきたいポイント

SNSやチャットアプリは、友だちとのやりとりを楽しめる一方で、トラブルが起きやすい場面でもあります。使わせるかどうかを決めるときには、年齢制限や利用規約も含めて、親があらかじめ確認しておきましょう。

まず、ネット上に出すときにとくに気をつけたい情報の例をあげます。

  • 本名やフルネーム
  • 顔がはっきり分かる写真や動画
  • 学校名や制服、クラブ活動の名前
  • 自宅の場所が分かる風景や表札、部屋の中のようす

これらは、見る人によっては、本人を特定する手がかりになることがあります。親子でいっしょに写真を見ながら、「これは載せてもよさそうか」「どこが気になるか」を話し合っておくと、子どももイメージしやすくなります。

次に、友だちとのやりとりで起きやすいトラブルの例です。

  • グループチャットでの悪口や、仲間外れのメッセージ
  • ふざけて送った写真や動画が、他の人に転送されてしまう
  • 既読をつけるかどうか、返事をするタイミングをめぐる行き違い

大人から見ると軽い言葉でも、子ども同士の関係では大きなストレスになることがあります。また、一度送ったメッセージや画像は、消したつもりでもどこかに残る可能性があることも、ゆっくり説明しておきたいポイントです。

SNSやチャットアプリには、それぞれ年齢制限があります。たとえば、利用規約で「〇歳以上」と決められている場合、その理由を子どもにも伝え、「決まりとして守ろうね」と話し合うことが大切です。ただし、頭ごなしに「ダメ」と言うだけではなく、なぜそのルールがあるのかをていねいに説明しましょう。

最後に、子どもが困ったことがあったときに、「大人に相談してもいい」と思える雰囲気づくりが何より重要です。うっかり失敗してしまったときでも、ひどく怒られるだけだと思うと、子どもは本当のことを話しにくくなってしまいます。

子どもがSNSを始めたいと言ったとき、まずどんなことを確認すればいいですか?

最初に、そのSNSの年齢制限や利用規約を大人が確認し、子どもにも分かりやすく説明しましょう。そのうえで、公開範囲(誰に見せるのか)、友だちの追加方法(実際に会ったことのある人だけにするかどうか)、投稿する内容(写真や言葉の選び方)について、親子で話し合うと安心です。

可能であれば、最初のうちは親がアカウントを一緒に確認したり、フォローし合ったりして、様子を見守る方法もあります。

もしものトラブルにそなえる準備と、見直しのタイミング

どれだけ気をつけていても、スマホやタブレットの利用中に、思わぬトラブルが起きてしまうことはあります。だからこそ、あらかじめ「もしものときの備え」をしておくと、心の負担が少し軽くなります。

まず、端末をなくしてしまった場合にそなえて、位置情報の設定や、端末をさがす機能の有無を確認しておきましょう。あわせて、連絡先や大切な写真などをバックアップしておくと、いざというときに復旧しやすくなります。

次に大事なのは、子どもが何か困ったことを経験したときに、「すぐに相談してもいい」と思える雰囲気づくりです。たとえば、日ごろから次のような声かけをしておくと、話しやすさが変わってきます。

  • いやなことがあったら、いつでも教えてね
  • 失敗しても、一緒にどうするか考えようね
  • 迷ったときは、一人で決めなくていいよ

このような言葉を、ふだんから繰り返し伝えておくことで、子どもは「困ったことを隠さなくていい」と感じやすくなります。

また、設定やルールは、一度決めたら終わりではありません。子どもの成長や生活の変化にあわせて、定期的に見直していくことが大切です。目安としては、次のようなタイミングが考えられます。

  • 学年が変わるとき
  • 新しい習いごとや部活動が始まるとき
  • 長期休みの前後

これらの節目に、「今のルールはどう感じているか」「使いにくいところはどこか」などを親子で話し合い、必要に応じて時間や制限の内容を調整していきましょう。

ネット上のトラブルが深刻だと感じたとき、どこに相談できますか?

友だちとのやりとりで強い嫌がらせが続いている、知らない相手から不安なメッセージが届くなど、家庭だけでは対応がむずかしいと感じたときは、早めに外部の窓口に相談することも大切です。

たとえば、学校の担任やスクールカウンセラー、地域の相談窓口、子ども向けの電話相談など、話を聞いてもらえる場所はいくつかあります。自治体のホームページや、学校から配られている案内を確認し、困ったときに使える窓口をあらかじめメモしておくと安心です。

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