子ども用アカウントを作って安全にPCを使わせる方法|Windows 11のファミリー機能入門
子ども用アカウントを作って安全にPCを使わせる方法|Windows 11のファミリー機能入門
このページでは、Windows 11 にある「子ども用アカウント」と「ファミリー機能」を使って、子どものパソコン利用を見守るための基本的な考え方と、設定のながれをやさしい言葉でまとめます。
子どもにパソコンを使わせる場面は、むかしよりぐっと増えました。
オンライン学習、調べもの、ゲーム、動画など、パソコンは身近な道具になっています。
その一方で、保護者としては「どこまで見せていいのか」「どこまで自由にさせてよいのか」が心配になりやすいところです。
「むずかしい専門用語はできるだけさけたい」という方でも読みやすいように、できるだけ画面の名前どおりに説明していきます。
子ども用アカウントとは?大人と分けるメリットをかんたんに整理
まずは「子ども用アカウント」とはなにかを、かんたんにイメージしておきましょう。
アカウントとは、パソコンの中にある「人ごとの部屋」のようなものです。
同じパソコンでも、使う人ごとに別々の部屋を用意しておくイメージです。
部屋が分かれていると、つぎのようなよさがあります。
- 自分のファイルや設定を、ほかの人にさわられにくくできる
- 使えるアプリやゲームを、人ごとに変えられる
- パソコンに起こったトラブルの原因を、ある程度分けて考えやすい
自分のファイルそのものを守りたい場合は、Windows 11でフォルダにカギをかける方法を説明している記事もあわせて参考にしてみてください。
大人アカウントを共用したときに起こりやすいこと
保護者のアカウントを、そのまま子どもと共用しているご家庭も多いと思います。
しかし、共用には次のような心配もあります。
- 大事な書類ファイルを、子どもがまちがえて削除してしまう
- お仕事で使うソフトの設定を、子どもが気づかないうちに変えてしまう
- 子どもが自由にアプリやゲームを入れてしまい、パソコンの動きが重くなる
- 思わぬサイトや動画に、そのままアクセスできてしまう
もちろん、すべてのケースで問題が起きるわけではありません。
それでも、大人アカウントを共用すると、こうしたトラブルが起きたときに「どこで何が起きたのか」を切り分けるのがむずかしくなります。
子ども用アカウントに分けるとどう変わる?
子ども用アカウントを作ると、次のような点で管理しやすくなります。
- 子ども用アカウントでは、インストールできるアプリやゲームをしぼりやすい
- 表示されるサイトや動画の内容に、あるていどフィルターをかけられる
- 使える時間帯や、1日に使える時間を設定できる
保護者のアカウントとは別にしておくことで、「子どもの利用はこの範囲まで」という線を、あるていど設定できるようになります。
大人アカウント共用と子ども用アカウントのちがい(イメージ)
次の表は、一般的なイメージをまとめたものです。
細かい動きは設定しだいで変わりますが、全体像をつかむ参考になります。
| 項目 | 大人アカウントを共用 | 子ども用アカウントを分ける |
|---|---|---|
| 設定の変更 | 子どもが気づかないうちに変えてしまうことがある | 変えられる範囲をせまくしやすい |
| アプリのインストール | 勝手にインストールされるおそれがある | インストールを制限しやすい |
| Webサイトの表示 | 大人向けの内容もそのまま見られることがある | フィルターで見られる内容をしぼりやすい |
| トラブル時の原因 | 誰が何をしたか分かりにくい | 子どもの利用の影響を切り分けやすい |
完全に安全になるわけではありませんが、「どこまで自由に使えるか」を分けて考えやすくなる点がポイントです。
Microsoft ファミリー機能とは
Windows 11 では、「Microsoft ファミリー機能」と呼ばれる仕組みを使って、子ども用アカウントの利用を見守ることができます。
ファミリー機能を使うことで、次のようなことができるようになります。
- 子どもの利用時間の管理
- アプリやゲームの対象年齢にもとづいた制限
- 一部のジャンルのサイトをまとめて見えにくくする設定
- 活動の記録を、保護者があとから一覧で確認する
この記事では、この仕組みをまとめて「ファミリー機能」と呼びます。
子ども用アカウントを作らないと危ない?
子ども用アカウントを作らないと危ない?
子ども用アカウントを作らないからといって、すぐに危険になるとはかぎりません。
ただし、大人と同じアカウントを共用していると、設定やファイルがまざりやすく、何かあったときの影響が大きくなりがちです。
子ども用アカウントを分けておくと、使える範囲をしぼりやすくなり、トラブルが起きたときも原因を探しやすくなります。
そのため「絶対にしないといけない」わけではありませんが、子どもがパソコンを使う時間が長くなってきたら、早めに検討しておくと安心です。
子ども用アカウントを作る前に準備しておくこと
ここから、具体的な設定の前に、必要な準備を整理していきます。
準備といっても、むずかしいものではありません。
「自分のアカウントがどの種類なのか」「インターネットにつながるか」などを、あらかじめ確認しておくだけでも、あとからの作業がスムーズになります。
Microsoft アカウントとローカルアカウントのちがい
Windows 11 では、サインインのしかたとして、大きく分けて次の2種類があります。
- Microsoft アカウント
- ローカルアカウント
それぞれを、もう少しやさしい言葉で言いかえてみます。
- Microsoft アカウント
- オンラインでも使えるサインイン
- インターネットを通して、設定やファイルを同期できることがある
- ローカルアカウント
- そのパソコンの中だけで使うサインイン
- 外のサービスとの連携は、基本的には行わない
ファミリー機能を使うには、保護者側が Microsoft アカウントでサインインしている必要があります。
現在使っているアカウントの種類は、設定アプリの「アカウント」画面から確認できます。
画面のどこかに、メールアドレスが表示されていれば、Microsoft アカウントである場合が多いです。
保護者のアカウントを確認しておく
子ども用アカウントの前に、まずは保護者のアカウントの状態を確認します。
一般的な流れは次のようになります。
- スタートボタンを押す
- 歯車のマークの設定を開く
- 「アカウント」を選ぶ
- 一番上に表示されている自分の名前とメールアドレスを確認する
メールアドレスの種類を確認するときは、他の人に画面を見せすぎないよう注意しましょう。
メールアドレスが表示されていれば、多くの場合は Microsoft アカウントです。
メールアドレスではなく、名前だけが出ている場合は、ローカルアカウントの可能性があります。
ローカルアカウントの場合でも、あとから Microsoft アカウントに切り替えたり、新しく Microsoft アカウントを作成したりすることができます。
ただし、アカウントの切り替えは注意が必要なので、心配な場合は公式の案内もあわせて確認すると安心です。
パソコンそのものの基本設定が不安な場合は、Windows 11の基本設定の見直し方を説明した記事から順番に確認していく方法もあります。
子ども用にメールアドレスを作るかどうか
子ども用アカウントを作るとき、子ども本人用のメールアドレスを用意するかどうか、迷う方も多いと思います。
メールアドレスを持たせることには、次のような面があります。
- メールアドレスを持つメリット
- サインインに使える
- パスワードを忘れたときの回復に利用できる
- 一部のオンラインサービスへの登録がしやすくなる
- メールアドレスを持つときの注意点
- メールで送られてくる広告や、知らない人からのメールが届くことがある
- 使用するサービスによっては、年齢制限がある場合もある
家庭の方針によっては、子ども名義のメールアドレスをまだ作りたくないこともあるでしょう。
その場合は、メールアドレスなしで子ども用ユーザーを作る方法もあります。
どちらを選ぶにしても、「どうしてそうするのか」を家族で話し合っておくと、あとから説明しやすくなります。
インターネット接続について
ファミリー機能を使うには、いくつかの場面でインターネット接続が必要です。
- Microsoft アカウントを使うときのサインイン
- ファミリー機能の設定や変更を行うとき
- 設定内容を、パソコン側に反映するとき
設定作業をするときは、できるだけ通信が安定しているときに行うと安心です。
子ども用にメールアドレスは作ったほうがいい?
子ども用にメールアドレスは作ったほうがいい?
子ども用にメールアドレスを作るかどうかは、家庭の方針によります。
メールアドレスがあると、サインインやお知らせの受け取りに使えるなど、便利な面があります。
一方で、メールをきっかけに知らないサービスに登録してしまうなど、別の心配が生まれることもあります。
まだ低学年のうちは、メールアドレスなしで子ども用アカウントを作り、大人が管理する形から始めるご家庭もあります。
成長に合わせて、必要になったタイミングでメールアドレスを作ることもできます。
いずれにしても、なぜ作るのか、なぜまだ作らないのかを、大人のあいだで一度整理しておくとよいでしょう。
Windows 11の設定アプリから子ども用アカウントを作成する手順
ここからは、Windows 11 の設定アプリを使って、子ども用アカウントを作るながれを見ていきます。
画面の構成や文言は、Windows のバージョンや更新状況によって少し変わることがあります。
ここでは、一般的な流れを紹介しますので、実際の画面と見比べながら進めてください。
設定アプリを開いてアカウント画面へ
まず、設定アプリを開いて「アカウント」の画面に進みます。
- スタートボタンを押す
- 歯車のマークの「設定」を選ぶ
- 左側のメニューから「アカウント」をクリックする
アカウントの画面では、上のほうに自分の名前やメールアドレスが表示されます。
その下のメニューから、「ファミリーとその他ユーザー」またはそれに近い名前の項目を探します。
「ファミリーとその他ユーザー」から家族を追加する
「ファミリーとその他ユーザー」を開くと、「家族メンバーを追加」などのボタンが表示されます。
ここから子どもを家族として登録していきます。
- 「家族メンバーを追加」をクリックする
- 「子どもを追加」かどうかを選ぶ画面が出たら、「子ども」を選ぶ
- 子どものメールアドレスを入力する画面が出る場合がある
ここで、子ども用のメールアドレスをすでに用意しているかどうかで、ながれが変わります。
- メールアドレスを持っている場合
- メールアドレスを入力し、画面の指示にしたがって進める
- メールアドレスをまだ持っていない場合
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」などの選択肢を使って進める
画面の文言はアップデートによって変わることがありますが、「メールアドレスがない場合」「新しくアカウントを作成する」など、近い意味の選択肢を探してみてください。
入力ミスが起きやすいポイント
子ども用アカウントを追加するときに、つぎのような点で入力ミスが起きやすいです。
- メールアドレスのつづりをまちがえる
- 同じアドレスをすでに別のアカウントで使っている
- パスワードの文字数や使える文字の条件をまちがえる
エラーが表示されたときは、あわてずに一度入力内容を見直してみましょう。
メールアドレスやパスワードを、紙にメモしてから落ち着いて入力するのもひとつの方法です。
確認メールが届かないときに確認したいこと
子ども用アカウントを作る途中で、「メールに送ったコードを入力してください」といった画面が出ることがあります。
しばらく待っても確認メールが届かないときは、次の点を順番に見てみてください。
- 受信トレイではなく、迷惑メールフォルダに入っていないか
- メールアドレスのつづりに、1文字でも間違いがないか
- インターネット接続が不安定になっていないか
何度も再送信をくり返すと、かえって混乱しやすくなります。
1回ごとに入力内容を見直しながら、ゆっくり進めることをおすすめします。
ローカルアカウントとして子ども用ユーザーを作ることもできる
場合によっては、Microsoft アカウントを使わずに、ローカルアカウントとして子ども用ユーザーを作ることもあります。
この方法では、メールアドレスではなく、ユーザー名とパスワードだけでサインインする形になります。
ローカルアカウントは、そのパソコンの中だけで完結するサインイン方法です。
オンラインのファミリー機能と連動しない部分もあるため、できることとできないことを、あらかじめ理解しておく必要があります。
細かい手順や制限事項は、Windows の公式ヘルプなどもあわせて確認しながら進めてください。
子どもをファミリーに追加できないときはどうすればいい?
子どもをファミリーに追加できないときはどうすればいい?
子どもをファミリーに追加しようとしてもうまくいかないときは、まず次の点を確認してみてください。
- 入力したメールアドレスが正しいか
- インターネットにつながっているか
- すでに別のファミリーに登録されていないか
それでもうまくいかない場合は、いったん作業を中断し、公式のヘルプページやサポートの案内も見てみましょう。
むりに何度も同じ操作をくり返すと、アカウント情報が分かりにくくなってしまうこともあります。
落ち着いて状況を整理しながら進めることが大切です。
ファミリー機能でできること一覧|時間制限・アプリ制限・Webフィルター
子ども用アカウントを作ったら、つぎはファミリー機能でどんなことができるかを見ていきましょう。
ここでは、よく使われる三つの機能にしぼって説明します。
- 利用時間の制限
- アプリとゲームの制限
- Webフィルター
いきなり細かく設定しようとせず、「まずは基本をおさえて、必要に応じて調整する」くらいの気持ちで始めると、長く続けやすくなります。
ファミリー機能の管理画面のイメージ
ファミリー機能の設定や確認は、多くの場合 Webブラウザーから行います。
保護者のアカウントでサインインした状態で、ファミリー機能のページを開くと、家族ごとの利用状況や設定が一覧で見られます。
画面の構成はアップデートによって変わることがありますが、たいていは次のようなカテゴリに分かれています。
- 画面時間(スクリーンタイム)
- アプリとゲーム
- Webと検索
- 活動の記録 など
ここから、子どもごとに設定を変えたり、利用状況を確認したりできます。
ファミリー機能でできること一覧(表)
代表的な機能を、表でまとめてみます。
| 機能 | できることの例 | イメージ |
|---|---|---|
| 利用時間の制限 | 平日と休日で使ってよい時間を分ける、1日○時間までにする | 「使いすぎ」をゆるやかに防ぐ |
| アプリとゲームの制限 | 年齢に合わないアプリやゲームを使いにくくする | 対象年齢にもとづいて選びやすくする |
| Webフィルター | 一部のジャンルのサイトをまとめて見えにくくする | 大人向けの内容などを減らす手助けをする |
このほか、利用状況の記録を確認する機能などもあります。
ただし、すべてを一度に使おうとすると、保護者も子どもも疲れてしまいます。
まずは気になるところにしぼって使い始めるのがおすすめです。
利用時間の制限の考え方
利用時間の制限では、つぎのような決め方がよく使われます。
- 平日と休日で、使える時間帯を変える
- 1日あたりの合計利用時間を、だいたいの目安で決める
- 寝る時間の少し前には、使えないようにしておく
たとえば「平日は夕方から1時間だけ」「休日は2時間まで」といった決め方があります。
ただし、宿題やオンライン学習など、どうしても時間がのびてしまう日もあります。
そんなときは、一時的に時間を延長する方法もあります。
保護者がそのつど判断しながら、無理のない範囲で運用していきましょう。
アプリとゲームの制限の考え方
アプリとゲームの制限では、対象年齢にもとづいた設定を行うことが多いです。
一般的には、年齢レーティングを決めると、それより高い年齢向けのアプリやゲームは、インストールしにくくなります。
ただし、年齢レーティングはあくまで目安であり、すべての家庭にそのまま当てはまるわけではありません。
- 子どもがどのくらい内容を理解しているか
- 家庭でどのような価値観を大切にしているか
といった点もふまえながら、必要に応じてアプリごとに判断していくことになります。
Webフィルターの考え方
Webフィルターは、インターネット上のサイトの中から、あらかじめ決められたジャンルのものを、まとめて見えにくくする仕組みです。
たとえば、「暴力的な内容」「大人向けの内容」など、一部のジャンルをまとめて制限することができます。
ただし、どのサイトがどのジャンルに分類されるかは、自動的に判断される部分も多く、完全に希望どおりにはならないこともあります。
必要な情報まで見えなくなってしまうこともあるため、実際の子どもの利用のようすを見ながら、少しずつ調整していくことが大切です。
設定はいつでも見直せる
ファミリー機能の設定は、一度決めたら終わりではなく、あとから何度でも見直せます。
- 子どもの年齢が上がったとき
- 学年や生活リズムが変わったとき
- 習いごとや部活が始まり、使える時間帯が変わったとき
こうしたタイミングで、少しずつ設定を見直していくと、無理のない範囲で続けやすくなります。
子どものパソコン時間はどれくらいに設定すればいい?
子どものパソコン時間はどれくらいに設定すればいい?
子どものパソコン時間に、これが正解という決まった時間はありません。
年齢や生活リズム、家庭の考え方によって、ちょうどよい時間は変わってきます。
最初は少し短めに設定しておき、実際のようすを見ながら、少しずつ調整していく方法もあります。
たとえば「毎日30分まで」から始めてみて、足りないと感じたら、宿題や学習の内容を見ながら10分ずつ増やすといった決め方もあります。
大切なのは、「画面を見ている時間」だけではなく、「睡眠時間」や「外遊び」「家族との会話」など、ほかの時間とのバランスを見ることです。
パソコン以外からの見守り方法と、トラブルが起きたときのチェックポイント
ファミリー機能は、パソコンからだけでなく、スマートフォンや別のパソコンのブラウザーから確認することもできます。
ここでは、外出先や別の部屋からでも利用状況を確認したり、設定を変えたりするときのイメージと、トラブルが起きたときのチェックポイントを紹介します。
スマートフォンや別のパソコンから確認する
保護者の Microsoft アカウントでサインインできる端末があれば、そこからファミリー機能の画面を開ける場合があります。
スマートフォンのブラウザーからでも、パソコンと同じように設定画面を開けることが多いです。
外出先や別の部屋にいるときでも、つぎのようなことができます。
- 子どもの利用時間のようすをざっくり確認する
- 一時的に利用時間を延長する
- アプリやサイトがブロックされた理由を確認する
ただし、操作できる内容や画面の構成は、端末やアプリの種類によって変わることがあります。
保護者の在宅勤務用パソコンを家族で共有している場合は、家族でパソコンを共有するときの安全な使い方を紹介した記事も参考になります。
よくあるトラブルとチェックの順番
ファミリー機能を使っていると、次のようなトラブルが起きることがあります。
- 必要なサイトやアプリまでブロックされてしまう
- 時間制限の影響で、急に画面がロックされてしまう
- 設定を変えたはずなのに、すぐには反映されない
こうしたときは、次の順番で確認してみましょう。
- どの設定が原因になっていそうかを、ファミリー機能の画面で確認する
- パソコンがインターネットにつながっているかを確認する
- パソコンを一度サインアウトし、もう一度サインインしてみる
- それでも変わらないときは、パソコンを再起動する
それでも解決しない場合は、公式のヘルプページやサポートの案内もあわせて見てみてください。
変更をくり返すときの注意点
何度も設定を変えていると、自分でも「どの設定が今の状態に影響しているのか」が分かりにくくなることがあります。
設定を変えるときは、次のような工夫をしておくと安心です。
- 大きな変更をするときは、メモ帳などに日付と内容を書いておく
- どの子どもの設定を変えているのかを確認してから操作する
- うまくいかなかったときは、一度前の状態に戻すことを考える
あわてて何度もボタンを押すより、「どこを変えたのか」を落ち着いて整理することが大切です。
外出先からでもファミリー機能の設定を変えられる?
外出先からでもファミリー機能の設定を変えられる?
インターネットにつながるスマートフォンや別のパソコンがあり、そこからファミリー機能の管理画面を開ける場合は、外出先から設定を変えられることもあります。
ただし、端末や環境によっては、一部の操作ができないこともあります。
また、公共の場所の Wi-Fi などを使うときは、セキュリティ面にも注意が必要です。
外出先での操作は、必要なときだけにしぼり、基本的には自宅など落ち着いて作業できる環境で設定するのがおすすめです。
設定だけに頼りすぎないために|子どもと一緒に決めるルールの作り方
ここまで見てきたように、ファミリー機能を使うと、時間やアプリ、Webサイトなどをあるていどコントロールできます。
ただし、設定だけに頼りすぎると、子どもが自分で考えて行動する力が育ちにくくなる面もあります。
ここでは、子どもと一緒にルールを決めるときの考え方を紹介します。
ファミリー機能は「見張る道具」ではなく「話し合いのきっかけ」に
ファミリー機能を使うと、子どもの利用状況をあるていど把握できます。
しかし、「何をどのくらい使っているか」を細かくチェックしすぎると、子どもとの信頼関係がぎくしゃくすることもあります。
ファミリー機能を「見張るための道具」としてだけではなく、「話し合いのきっかけ」を作る道具として使うイメージを持つと、長く使いやすくなります。
たとえば、利用時間の記録を見ながら、次のような会話ができます。
- この日だけいつもより長く使っているけれど、なにをしていたの?
- 宿題の調べものをしていたなら、時間の決め方を少し変えようか?
このように、記録をきっかけにして、お互いの考えを伝え合うことが大切です。
家庭内ルールの例
家庭内ルールは、むずかしいものである必要はありません。
一緒に話し合いながら、シンプルで分かりやすいルールを少しずつ決めていくとよいでしょう。
たとえば、次のような例があります。
- 使う場所に関するルール
- パソコンはリビングや家族の目が届く場所で使う
- 寝室やひとりきりの部屋では使わない
- 使う時間に関するルール
- 宿題ややるべきことが終わったあとに使う
- 夜は○時までに終わらせる
- 見ないようにする内容に関するルール
- こわい動画や、暴力的な内容のゲームは遊ばない
- 「これはどうかな?」と思ったら、まず大人に相談する
こうしたルールは、一度にたくさん決めると守りにくくなります。
最初は数個から始めて、必要に応じて少しずつ追加していくとよいでしょう。
ルールを守れなかったときの向き合い方
どれだけ気をつけていても、ルールを守れないことはあります。
そのときに、ただ強く叱るだけだと、子どもは本音を話しにくくなってしまいます。
- なぜルールを守れなかったのか
- どんな場面で困ったのか
といった点を、一緒に振り返る時間を作ることが大切です。
場合によっては、ルールの内容が子どもにとってきびしすぎた、ということもあります。
そうしたときは、少しゆるめることもふくめて、柔軟に見直していきましょう。
成長に合わせてルールと制限を見直す
子どもが成長していくにつれて、パソコンの使い方も変わっていきます。
低学年のころは遊び中心だったものが、高学年になるとオンライン学習や調べものが増えるかもしれません。
中学生になると、学校の課題でパソコンを使う機会も増えていきます。
年齢だけで一律に決めるよりも、子どものようすや責任感の育ち方を見ながら、少しずつルールと制限を見直していくことが大切です。
何歳ごろからルールや制限をゆるめていけばいい?
何歳ごろからルールや制限をゆるめていけばいい?
ルールや制限をゆるめるタイミングには、「何歳になったら必ずこうする」という決まりはありません。
子どもの性格や、どれくらい約束を守れているかによって、ちょうどよいタイミングは変わります。
たとえば、次のような点を目安に考えてみるとよいでしょう。
- 約束した時間を、おおむね守れているか
- 困ったときに、自分から大人に相談できているか
- 学校や家庭の生活リズムが乱れていないか
これらをふまえながら、少しずつ制限をゆるめたり、新しいルールを一緒に考えたりしていくことが大切です。
まとめ|まずはアカウントを分けて、少しずつ設定とルールを整えよう
ここまで、Windows 11 で子ども用アカウントを作り、ファミリー機能を使って見守る流れを紹介してきました。
最後に、重要なポイントをかんたんに振り返ります。
ステップごとに整理して進める
子ども用アカウントとファミリー機能の設定は、つぎの流れで進めると整理しやすくなります。
- 子ども用アカウントを作る意味を理解する
- 保護者のアカウントの状態や、必要な準備を確認する
- 設定アプリから子ども用アカウントを作成する
- ファミリー機能で、時間やアプリ、Webの基本的な制限を設定する
- スマートフォンなどから、必要に応じて見守りや調整を行う
- 子どもと一緒に家庭内ルールを決め、成長に合わせて見直す
一度にすべてを完璧にしようとせず、できるところから少しずつ進めるのがおすすめです。
自分のファイルの守り方をさらに知りたいときは、Windows 11でフォルダにカギをかける方法の解説もあわせて読むと理解が深まりやすくなります。
設定だけでなく、会話とルール作りも大切に
ファミリー機能は、子どもの利用を完全にコントロールするためのものではありません。
むしろ、「どんなふうに使っていくか」を家族で話し合うきっかけを作る道具としてとらえると、長く使いやすくなります。
- 設定で守れる部分
- 家庭内のルールで守る部分
- 子ども自身が考えて行動する部分
この三つのバランスを意識しながら、少しずつ環境を整えていきましょう。
今まで共用していたパソコンを切り替えるときのイメージ
すでに大人と子どもが同じアカウントを共用している場合も、あわててすべてを変える必要はありません。
次のような順番で、少しずつ切り替えていく方法もあります。
- 子ども用アカウントを新しく作る
- よく使うアプリやショートカットを、子ども用アカウントの中にも用意する
- ファミリー機能で、時間やアプリの基本的な制限を設定する
- 数日〜数週間ほど様子を見ながら、必要に応じて設定とルールを見直す
このように、段階をふんで切り替えていくことで、子どもも保護者も、少しずつ新しい環境に慣れていくことができます。
困ったときは、ひとりで悩まず、公式のヘルプや公的な情報も参考にしながら、できる範囲で見直していきましょう。
大事なデータそのものを守るには、大事なデータを守るためのバックアップの基本といった内容もあわせて確認しておくと、全体として安心しやすくなります。